2018年09月 - ビジネスブログ

オールウィン社会保険労務士事務所
就業規則作成 助成金申請なら
2018年09月25日 [Default]
二宮町からすごい情報が届きました。

なんと、時間外手当の一部を30年以上にわたって支払っていなかった!!
30年てすごいですよね。
でも時効は2年・・・。
どうするのか??

そもそもどういう経緯かというと、二宮町では職員の残業の上限を年間240時間と設定していたようです。
もし、240時間を超えた場合には当然その分は払うという内容でしょう。
一般の残業上限は年間360時間ですから問題ありませんね。
繁忙期を考えなければ、単純に毎月20時間以内の残業で終えるようにね!ということでしょう。

ところがその240時間を超えた分についての割増賃金を一切30年以上払っていなかった!!
町条例違反・・・当たり前です。

先ほど賃金の事項は2年と記載しました。
30年も払っていなかったのに直近2年分だけ未払い分を支払うとのことです。
現在在職している職員も、すでに退職した職員もがっかりでしょうね・・・。

なお、昨年度に年間240時間を超えて手当の未払があった職員数は81人で、未支給額は計約1,320万円とのことです。
一人当たり平均16万3千円・・・かなりの額です・・・(汗)

二宮町残業未払

そして記録がある過去5年間の未支給額を調べてみると・・・1億1330万円!!!

賃金時効・・・書類保存期間に助けられた二宮町って感じでしょうか。

参考までに過去5年間で年間残業時間が最も長かった職員は929時間、昨年度の最長の職員でも551時間だったとのこと。
昨年度の職員は助かりましたね〜。
929時間の方は2014年度なので時効成立です・・・(涙)

二宮町長は今回の件に対し謝罪するとともに、「人件費抑制の課題がある中でこのような運用が続いてしまった」と釈明しております。
いつものことですが、一般企業が同様のことが発覚したらどうなるのか・・・考えてしまいます。

おそらく二宮町は企業で言えば中小零細企業に財政的に当たるのではと推測されます。
経費削減が必要なのは一般企業と同じなのでしょう。
しかし、一般企業は大手・中小・零細問わず厳しく労務管理が問われています。
違反すれば大ダメージ・・・今回ぐらいの無いようでしたら中小企業は潰れてしまいます。
会社や経営者は刑事告発でしょう。

一般企業ばかりでなく、大きなくくりでこうしたことがないように取り組んでいくことが肝心ではないでしょうか。

2018年09月18日 [Default]
「マタハラ」=マタニティハラスメントの略です。
もうご存知ですよね。
知らないとまずいことになります。
昔のように・・・なんて考えてると大変です。

「マタハラ」、簡単に言えば「妊娠や出産をめぐる嫌がらせをすること」でしょうか。
「セクハラ」とはまた違います。

今の時代は、女性が活躍する社会を目指しています。
当然、出産後も働きやすい環境を求められております。
それに逆行すれば世間の批判は浴びるし、訴えられる可能性も出てくるわけです。

今回のマタハラに関する訴訟は、こんな案件でした。
「育児休業の取得後に正社員から契約社員にさせられたことなどはマタハラであり違法だ」
ということで教育関連会社相手に地位確認と慰謝料などを求めて訴訟を起こしたものです。

地裁の判決は、「会社の対応は不法行為にあたり、慰謝料など110万円の支払いを命ずるとともに契約社員を雇止め(後述)にしたことも無効である」としました。

育児休業後に契約社員にして、更に雇止めをしたようですね。
原告は育児休業期間を終えた当時に保育園がみつからず有期契約社員になっていたとのことです。
保育園が見つかった後に正社員への復帰を求めたが認めなかった・・・。

マタハラ

更に、上司の男性に「俺は彼女が妊娠したら俺の稼ぎだけで食わせる」と発言したそうです。
当然許容されるわけがありませんね・・・。マタハラ以外の何物でもありません・・・。
それ以上にパワハラやセクハラにも該当しそうなとんでもない発言です。
「彼女」・・・若くして管理職になり何もわかっていない残念な社員でしょうか。

雇止めの理由について会社は、原告が「マタハラを受けた」とうそを言いふらして職場の秩序を乱したからだとのことです。

なお契約社員から社員への復帰を求めたことについては、会社の教養ではなく原告も合意のうえということで訴えは退けられました。

ということで、まず改めて考えたいのは「昔と今は違う」ということです。
昔(私の若いころもそうでした)は、パワハラ・セクハラ・マタハラ何でもありでしたよね。
それ以外にも未払い残業あり、有給休暇はとれない・・・当たり前のこととして当時は働いておりました。
それ以上に出世欲が強かった気がします・・・働くものみんなが。

今はすべて「NO」です!
すぐに訴えられます。
ネットで何でも情報を仕入れられますし、監督署にすぐに確認に行けます。
もちろん我々社会保険労務士も相談に乗ります。

時代は刻々と変化しています。
それと同時に法律や労務管理、職場環境の在り方も変わっています。
更に働き方改革で経営者は厳しく監視されます。

昔は当たり前と書きましたが、当たり前ではなかった・・・。
従業員が言えなかった、知らなかったというのが正しいでしょう。
今は言えます。知ってます。
労働者のほうが知ってます。

法律や世間の流れを理解しておかないとこのように痛い目に遭います。
訴訟されれば社名も公表されて罰則や損害賠償等だけでなく会社に対する世間の評判が下がります。
悪いイメージを持たれたら致命的ですよね。

経営者だけでなく、その下の管理職や部下にも常識として認識してもらうことが必要です。
必要であれば我々のような専門家を講師に招いて研修を開くことも一手だと思います。

正直、経営者の方々の言い分も分からないではないのです。
全部が全部従業員の言うがままにしていたら経営が成り立たなくなる可能性も出てきます。
それでも、できることから少しずつ改善していき、従業員が働きやすい環境を作ることは会社にとって一番重要とも考えます。
今後も経営者の皆様のお悩みにもっと耳を傾けて良きアドバイザーとならなければいけないと考えています。

2018年09月10日 [Default]
年金の支給漏れや支給遅れは最近当たり前のようになっていますね・・・。
ニュースで見ても「またか・・・」って感じです。

そんな中、今回は労災保険の休業補償給付の支給遅れが確定したということです。
まず、「漏れ」ではなく「遅れ」です。
そして「確定した」ということで、事後報告ではなく事前報告です。

なんだかよくわからないですね。

ひとまず全国で現在休業補償給付を受給している方は1万1千人いるそうです。
そして総額28億円弱を支給する予定とのことです。

どういう仕組みか詳しいことはわかりませんが、今まで間違いなく振り込んできたようです。

この度の事前報告での支給遅れはなぜ発覚したのか!?
気になりますよね。
私の知り合いも休業補償給付を受けています。
受給者は当てにしていた給付金が遅れては困りますよね。

まず、支給手続きは厚生労働省で一括で行っているようです。
そして今回、厚生労働省の職員が誤って休業補償に関するデータを消してしまったそうです。
職員は休業補償とは別のデータ処理をしていて誤って消去・・・。
その場で「やばい!!」

労災支給遅れ

と気づきデータの復元を試みたがうまくいかずに、まさに今日10日に振り込まれる予定だった給付金が振り込めなくなってしまったという次第です。

皆様はどう思いますか?
「間違えもあるさ」
「すぐに振り込まれるんだから良かった」
「事前に報告してくれたからまあ許す」

・・・いろいろあると思いますが確かにそうです。
仕事をしていれば誰しもミスはあります。
それが大きいミスか小さいミスかで差は出るとしても、そんなにその職員を攻めてはかわいそうです。
データを復元しようと必死に試み、更にこのように明るみになったのですからきっと正直に報告したのでしょう。

とはいえ私が一番気になったのは、国の労災保険の休業補償給付の事務処理データがそんなにも簡単に消去されてしまったことです。
普通こんな大事なデータは相当な制限を掛けて管理していると思いますよね。
それがほかの処理をしていてうっかり消去・・・なんてことあるんでしょうか??
っていうかあるんですね・・・。

経営者はマイナンバー等個人情報をしっかり保管しておくことが必要です。
その他にも経営上重要なデータは、相当なことがないと漏れないようにしているはずです。
今回の件も会社がお客様に対して振込遅れとかだったらかなり問題になると思うのです。
信用問題にも当然なりますよね。

確かに事前にわかって、すぐに振り込みます、っていうのはいいんですけどもう少し管理体制やシステム体制何とかならないのでしょうか。
他のデータがいつ消えてもおかしくない気がしてなりません。
基本中の基本を見直してほしいです。


このページの先頭に戻る