2016年02月23日 - ビジネスブログ

平成28年2月22日の新聞報道で助成金（労働移動支援助成金）が
目的から外れて利用されているという報道がなされていました。

人員整理をしたい会社に対して、人材紹介会社が積極的にアプローチをかけているようです。
中身は、会社の従業員をランク付けして、下位等級の社員を整理対象とします。
人材紹介会社が、会社に対して下位等級の社員を退職させる方法を伝授します。
会社は、下位等級の社員に対し、居場所はなく、人材紹介会社に登録して転職先を探せるまで面倒をみるからと退職を迫ります。
下位等級の社員は、やむなく退職し、人材紹介会社にて転職先を探す、という一連の流れです。

これで会社には「労働移動支援助成金」が入ってきます。
人材紹介会社には、転職支援活動を行うため報酬が入ってきます。

大変なのは下位等級とランク付けされ退職に追い込まれた従業員です。
そんな形で転職しても、給料は良くて7割ぐらいに落ち込むでしょう。精神的にも相当苦しいでしょう・・・。

各種助成金は企業にとっては返還不要なとてもありがたいものです。
しかし、助成金は国民が払った税金で当然賄われております。
目的外や不正は断じて許されるべきではありません。

私も多くのお客様から「何かもらえる助成金は無いかな？」と聞かれます。
しかし、助成金がそう簡単にもらえたらどの企業もちょっとした手続きの手間を惜しまなければじゃんじゃんお金が入ってくることになります。
そもそも論として、助成金の支給要件は厳しいです。
不正をすればいつか見返りが来て、企業も、私自身も大変な思いをすることになるでしょう。
ですから、私はお客様の実態や今後の方向性をよくお聞きしたうえで、
可能性がある助成金に関してだけ適切なアドバイスするようにしております。

ちょっとした甘い考えで不正をして、後で取り返しのつかないことにならないように気を付けましょう。