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2017年10月06日 [Default]

NHKが過労死隠し?

報道でご覧になった方も多いのではないでしょうか。
NHKの当時31歳の記者が2013年7月に過労死し、労災認定されていたことが判明しました。

NHK記者

亡くなってから4年以上経っての公表です。
この間、世間は勿論、社内の従業員にも事実を公表していなかったようです。

過労死するほど働かせたことは、当然企業の安全配慮義務が問われる大問題です。

しかし、今回の発表はどうも釈然としない点や企業体質の現れを感じ得ずにはいられません。

以下、私の考える今回の問題点を述べます。

1・過重労働
亡くなった記者は、ちょうど都議選と参院選の真っただ中の最前線で仕事をしており、亡くなる直前の休日は2日のみ・・・。亡くなる前1ヶ月の残業時間は159時間・・・。その前の1ヶ月も146時間の残業です。最も忙しい時だったのは分かります。本人もここぞとばかりに一生懸命働いていたのだと思います。しかし、そういう時こそ会社は従業員の労働時間や休日の管理、健康管理をしっかりしないといけないはずです。おそらく、会社としては黙認していたのでしょう・・・。亡くなったのは参院選の投開票から3日後です・・・。

2・異動送別会
亡くなった記者は、当時東京で勤めており、亡くなる月の翌月に横浜に異動することが決まっていたようです。その送別会が亡くなる前日の勤務終了後だというのです。当然、前述した通り働き詰めで体調や顔色の変化はある程度は分かると思います。おそらく送別会の日は前々から決まっていて本人も断れなかったと推測されます。お酒を飲んだかどうかは不明ですが、おそらく夜遅くまで会が催されたのでしょう。亡くなったのは、翌日未明にベッドの上でです・・・。

3・報道発表
先に述べましたが、この過労死認定の発表はつい先日です。発表まで4年かかりました。この間、ご存知の通り電通の過労死問題等をNHKは他人ごとのように報道していたことになります。中小零細企業でも公表されることが多い中、自社のことは隠して、他社のことは大きく問題として取り上げる。公共放送機関のすることとは到底思えません!実際に今回報道発表するに至ったのも、亡くなった記者のご両親が、この事件を風化させないためにNHKに再三要望してやっとのことです。企業体質、隠蔽体質を疑わずにはいられません。

4・遺族対応
NHKは、記者が亡くなってから命日に幹部が遺族宅に弔問に訪れていたようです。それが、今年になって突然連絡すら来なかったとのこと。ご遺族にとっては憤りを隠せなかったものだと思います。せめて連絡ぐらいは・・・。今までもご遺族は公表を求めていたにもかかわらず実現せず、命日の弔問で気持ちを抑えていたのかもしれません。結果、今回の報道につながったわけで、NHKの対応に疑問が残ります。

5・再発防止策
こういう事件があった以上、当然大手企業としては再発防止策を取らなければなりません。その後対策は始まったようですが、亡くなった記者の過労死のことは伏せたままだったそうです。そして今回の発表で、「働き方改革を進めるうえで外部への公表が必要だと判断した」としています。外部への公表も遅いし、この発表だと再発防止策もあまり徹底されてこなかったのではと推測されます。ある意味一番重要なところです。電通も良くも悪くも対策を公表しています。NHKも対策を発表するべきだと思います。

長々と私見を述べましたが、NHKだから、そして対応がまずかったから大々的に報道されている面もあります。
ただ、どんな企業でも規模に関わらず過労死の可能性はあるのです。

私が思うに、働きすぎる人は本当に頑張り屋で、一生懸命で、真面目で、勤務する会社が好きな人だと思います。
そうでなければ、投げ出してしまうと思うのです。
そういった従業員は本当に企業にとっては貴重以外の何物でもありません。
しかし、その働き過ぎている実態を会社が把握していないと際限なく頑張ってしまい、悲しい結果になってしまいます。
会社にとっても、本人にとっても何もメリットがありません。

重要なことは、時間管理はもちろん、日々従業員と話し、悩みを聞き、雑談をし、顔色を見るようなことだと思います。
経営者一人では目が行き渡らないのであれば、部長や課長、係長などにトップダウンすることです。
こうした環境を作れば、必ず会社も従業員もより良い方向に向かうと思うのです。
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