労働協約に反する処遇は違法!? - ビジネスブログ

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2016年08月25日 [Default]

労働協約に反する処遇は違法!?

「労働協約」とは、使用者と労働組合が結ぶ協定のことです。
拘束力は非常に強いと言ってよいでしょう。

横浜市の企業で働くバス運転手が、労働協約に反する「転籍」を拒否した後に、運転業務から外され、清掃業務などに従事させたのは違法だとして訴訟を起こしたとのことです。

当初の労働協約では、分社化後も運転手を同社に在籍させたうえで、従来の給与を支払う内容でした。
しかし、これに違反する形で支出削減策として運転手に子会社への転籍を要求したとのこと。
転籍に伴い給与が減額になることから運転手が拒否したところ運転業務から外され清掃業務などに配置転換させられたとのことです。
いわゆる「追い出し部屋的処遇」を受けたとしての訴訟です。

違法な配置転換

論点としては、まず拘束力の強い労働協約に違反していることが問題です。
そうした行為にでるのであれば、当然事前に労使交渉が必要となるでしょう。
大体の争いはこうした段階を踏まないために引き起こされると思います。

次に、給与の減額の合理性ですね。
支出削減策としていますが、本当に給料を下げるだけの合理性があったかが重要です。
何もなくいきなり給料を下げてしまってはいけません。

そして、減額拒否を理由にした配置転換ですね。
バス運転手から清掃業務への配置転換は客観的に見て明らかに不合理ですね。

裁判はこれからですが、どういう判決になるのでしょうか。

中小企業には、なかなか労働組合が無いため労働協約も無いと思われます。
しかし、労働組合や労働協約の有無にかかわらず、同様のことをすれば同様に訴えられる可能性があります。
十分に認識しておくことを強くお勧め致します。
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