2018年03月08日 [Default]
近年、外国人を採用する企業が増えております。
昨年度は前年比18%増加して127万8670人に達し過去最高を更新したとのことです。
こちらの数字は当然アルバイトやパートで働く方も含めての数字です。
今後も人手不足もあり増加していくことが見込まれます。
さて、外国人の方を採用した際の手続きはどうしておりますか?
健康保険・厚生年金保険・雇用保険・労災保険いかがでしょうか。
正社員であれば日本人と何ら変わりなくすべて加入手続きを行わなければなりません。
非正規採用であれば、正社員と比較して何時間働くかによって加入条件が異なりますが、こちらも日本人と変わりはありません。
ここまでは確実にしておかなければいけませんね。
次に外国人ならではの手続きがあったりしますがご存知でしょうか?
まず、厚生年金保険の手続きの際には「ローマ字氏名届」を取得手続きの際に届け出しなければいけません。
雇用保険の手続きの際には、資格取得届の外国人情報欄に「ローマ字氏名」「国籍」「在留資格」「在留期間」「資格外活動の有無」を記載しなければいけません。
これらの情報は外国人の皆様が持っている「在留カード」にすべて記載されております。
外国人の方を採用する際には、必ず在留カードの提示を促しましょう!
そして内容もはっきり確認しましょう!
在留資格は働いてもよい資格か?
在留期間は過ぎていないか?
さて、このような外国人の方を雇っている大手ラーメンチェーン店の社長、労務担当責任者、店長ら7人及び法人が書類送検される事件がありました。
何があったかと申しますと以下の2点の違法行為です。
@ 不法就労助長
経営する店舗のうち2店舗で雇っていたベトナム、中国からの「留学生」計10人を出入国管理法が定める週28時間を超えて働かせた。
A 外国人雇用状況届出書の無届け
上記雇い入れた外国人従業員について届け出が出ていなかった。
正直、は?そんな法律あるの?・・・という方も多いのではないでしょうか。
実際、書類送検された社長は「把握していなかったし、法律を知らなかった」と話しているそうです。
@については、「留学生」がポイントです。
在留資格が「留学」になっている方については、原則週28時間以上働かせてはいけないという決まりがあります。
当然、学業に支障が出るからです。
ちなみに罰則もあります。
「3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金、あるいはその両方」
気を付けましょう!!
Aについてもあまり知られていないと思います。
最初のほうに述べましたが雇用保険加入者の場合は資格取得届に在留カードの情報を記載することでハローワークが把握できます。
しかし、週20時間未満で勤務する非正規の外国人の場合、雇用保険には加入しません。
そんな雇用保険加入義務のない外国人の方を雇っている場合もハローワークに届け出をしなければいけないのです!
「雇入れに係る外国人雇用状況届出書」という書類を採用時に届け出ます。
退職時には「離職に係る外国人雇用状況届出書」をハローワークに届け出することが義務付けられているのです。
(一部の在留資格の方は必要ありませんがほぼ該当すると思ってください)
これからますます増加が予想される外国人の方々ですが、受け入れれば良いってものでもないわけです。
外国人労働者を採用すること自体は私は良いことだと思います。
ただ、採用する際には確実に「在留カード」を確認して不法就労ではないことをチェックしてください!
「留学生」の場合は労働時間に注意してください!
各種届出は忘れずにしっかりと行ってください!
間違いなく行ったうえで採用すれば外国人労働者は重要な戦力になると私は考えております。
昨年度は前年比18%増加して127万8670人に達し過去最高を更新したとのことです。
こちらの数字は当然アルバイトやパートで働く方も含めての数字です。
今後も人手不足もあり増加していくことが見込まれます。
さて、外国人の方を採用した際の手続きはどうしておりますか?
健康保険・厚生年金保険・雇用保険・労災保険いかがでしょうか。
正社員であれば日本人と何ら変わりなくすべて加入手続きを行わなければなりません。
非正規採用であれば、正社員と比較して何時間働くかによって加入条件が異なりますが、こちらも日本人と変わりはありません。
ここまでは確実にしておかなければいけませんね。
次に外国人ならではの手続きがあったりしますがご存知でしょうか?
まず、厚生年金保険の手続きの際には「ローマ字氏名届」を取得手続きの際に届け出しなければいけません。
雇用保険の手続きの際には、資格取得届の外国人情報欄に「ローマ字氏名」「国籍」「在留資格」「在留期間」「資格外活動の有無」を記載しなければいけません。
これらの情報は外国人の皆様が持っている「在留カード」にすべて記載されております。
外国人の方を採用する際には、必ず在留カードの提示を促しましょう!
そして内容もはっきり確認しましょう!
在留資格は働いてもよい資格か?
在留期間は過ぎていないか?
さて、このような外国人の方を雇っている大手ラーメンチェーン店の社長、労務担当責任者、店長ら7人及び法人が書類送検される事件がありました。
何があったかと申しますと以下の2点の違法行為です。
@ 不法就労助長
経営する店舗のうち2店舗で雇っていたベトナム、中国からの「留学生」計10人を出入国管理法が定める週28時間を超えて働かせた。
A 外国人雇用状況届出書の無届け
上記雇い入れた外国人従業員について届け出が出ていなかった。
正直、は?そんな法律あるの?・・・という方も多いのではないでしょうか。
実際、書類送検された社長は「把握していなかったし、法律を知らなかった」と話しているそうです。
@については、「留学生」がポイントです。
在留資格が「留学」になっている方については、原則週28時間以上働かせてはいけないという決まりがあります。
当然、学業に支障が出るからです。
ちなみに罰則もあります。
「3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金、あるいはその両方」
気を付けましょう!!
Aについてもあまり知られていないと思います。
最初のほうに述べましたが雇用保険加入者の場合は資格取得届に在留カードの情報を記載することでハローワークが把握できます。
しかし、週20時間未満で勤務する非正規の外国人の場合、雇用保険には加入しません。
そんな雇用保険加入義務のない外国人の方を雇っている場合もハローワークに届け出をしなければいけないのです!
「雇入れに係る外国人雇用状況届出書」という書類を採用時に届け出ます。
退職時には「離職に係る外国人雇用状況届出書」をハローワークに届け出することが義務付けられているのです。
(一部の在留資格の方は必要ありませんがほぼ該当すると思ってください)
これからますます増加が予想される外国人の方々ですが、受け入れれば良いってものでもないわけです。
外国人労働者を採用すること自体は私は良いことだと思います。
ただ、採用する際には確実に「在留カード」を確認して不法就労ではないことをチェックしてください!
「留学生」の場合は労働時間に注意してください!
各種届出は忘れずにしっかりと行ってください!
間違いなく行ったうえで採用すれば外国人労働者は重要な戦力になると私は考えております。
2018年02月23日 [Default]
先日もブログに書きましたが、言い出しっぺの国が「同一労働同一賃金」を先延ばしするなど後手後手になっております。
しかし、国の基準をよそに裁判で少しずつ判例になる基準が出てきています。
昨年9月に日本郵便の正社員と契約社員の格差問題で東京地裁判決が示されました。
簡単に以下に示します。
違反⇒住居手当(同額までは求めない)、年末年始勤務手当(同額までは求めない)・・・
合法⇒賞与・扶養手当・早出勤務等手当・祝日給・・・
住居手当と年末年始勤務手当については、契約社員に対してのみ不支給とするのは不合理であるとの判断でした。
そしてこの度、同じ日本郵便の正社員と契約社員の格差問題に対しての大阪地裁判決が出ました。
結論としては、一部手当について「契約社員に支給がないのは不合理」として、約300万円の支払いを命じました。
不合理とした手当は以下の通りです。
@ 年末年始勤務手当
A 住居手当
B 扶養手当
あれ?増えましたね!!
@の年末年始勤務手当は東京地裁でも違反との判断でしたが同額までは求めず正社員の8割程度を求めました。
ところが今回は「同額」の支払いを命じています!
Aの住居手当も同様で「同額」の支払いを命じました!
Bの扶養手当については東京地裁判決では合理的と判断されました。
しかし今回、「親族の生活を保障するもので、職務内容の相違により支給の必要性は大きく左右されない」と判断されました!
扶養手当はあくまでも「労働者と扶養家族の生活を保障するため、基本給を補完する生活保障給」としました。
こういった判例が積み重なってくることで、国が示す基準を待たずに違法と判断されることがわかってきました。
企業規模を問わず住居手当や扶養手当を採用している企業は多いと思います。
また、労働基準法ではこの2つの手当については合理的であれば割増賃金の算出基準額に入れなくて良いと定められています。
今回の判決をもとに多くの企業が手当の見直しを行わなければならなくなるかもしれません。
自社で採用している手当の性格と、非正規社員への支払いの有無などを明確にして合法的に運用していかないと、このように裁判になって遡及支払いをしなければならない可能性が出ます。
国の「同一労働同一賃金」基準を待たずに、今からでも点検して備えることが必要です!
しかし、国の基準をよそに裁判で少しずつ判例になる基準が出てきています。
昨年9月に日本郵便の正社員と契約社員の格差問題で東京地裁判決が示されました。
簡単に以下に示します。
違反⇒住居手当(同額までは求めない)、年末年始勤務手当(同額までは求めない)・・・
合法⇒賞与・扶養手当・早出勤務等手当・祝日給・・・
住居手当と年末年始勤務手当については、契約社員に対してのみ不支給とするのは不合理であるとの判断でした。
そしてこの度、同じ日本郵便の正社員と契約社員の格差問題に対しての大阪地裁判決が出ました。
結論としては、一部手当について「契約社員に支給がないのは不合理」として、約300万円の支払いを命じました。
不合理とした手当は以下の通りです。
@ 年末年始勤務手当
A 住居手当
B 扶養手当
あれ?増えましたね!!
@の年末年始勤務手当は東京地裁でも違反との判断でしたが同額までは求めず正社員の8割程度を求めました。
ところが今回は「同額」の支払いを命じています!
Aの住居手当も同様で「同額」の支払いを命じました!
Bの扶養手当については東京地裁判決では合理的と判断されました。
しかし今回、「親族の生活を保障するもので、職務内容の相違により支給の必要性は大きく左右されない」と判断されました!
扶養手当はあくまでも「労働者と扶養家族の生活を保障するため、基本給を補完する生活保障給」としました。
こういった判例が積み重なってくることで、国が示す基準を待たずに違法と判断されることがわかってきました。
企業規模を問わず住居手当や扶養手当を採用している企業は多いと思います。
また、労働基準法ではこの2つの手当については合理的であれば割増賃金の算出基準額に入れなくて良いと定められています。
今回の判決をもとに多くの企業が手当の見直しを行わなければならなくなるかもしれません。
自社で採用している手当の性格と、非正規社員への支払いの有無などを明確にして合法的に運用していかないと、このように裁判になって遡及支払いをしなければならない可能性が出ます。
国の「同一労働同一賃金」基準を待たずに、今からでも点検して備えることが必要です!
2018年02月19日 [Default]
パートと正社員について手当に格差をつけるのは合理性があるかどうか?
まさに同一労働同一賃金に直結してくる裁判例がまた出ました。
今回は卸売市場で働くパート社員が2つの手当格差について訴えを起こしました。
4名で訴え、合計120万円の支払いを求めての裁判です。
さて、詳しい内容を見てみましょう。
1つ目の格差は、「通勤手当」の格差に対するものです。
パート社員が訴えたのは以下の理由です。
〇 通勤手当について、パート社員だからといって正社員の半額の一律月額5千円とするのは労働契約法違反だ。
これに対して裁判所の判決は以下のような見解を述べました。
⇒ パート社員も自家用車を使って25分から40分かけて通勤するのは正社員と変わらず、通勤の実費は月額1万円を超えていた。
「実際の通勤費用を考慮せず、一律に半額を支給する差異は不合理」である。
通勤手当については法律で支給を義務付けているわけではありません。
しかし、通勤手当を支給すると規定しているのであれば当然支給する義務が生じます。
更に従業員によって一律に差異を設定するのは不合理ということですね。
もう一つの格差は「皆勤手当」です。
パート社員が訴えたのは以下の理由です。
〇 就業規則改定によって今まで月額5千円支給されていた皆勤手当をパート社員のみ廃止して不支給としたのは違法だ。
これに対しての裁判所の判決は以下の通りです。
⇒ 「労働契約法10条に定めている不利益変更についての要件を満たさず違法」である。
皆勤手当も支給するもしないも企業の自由です。
しかし、就業規則に皆勤手当の支給を明示しているのであれば当然支給する必要があります。
更に、パート社員についても皆勤手当を支給していたものを廃止してしまった・・・。
一般に不利益変更を行う際には労使での十分な意見交換が必要となります。
パート社員にとっては毎月5千円減額となるわけですから大ごとです。
何より大切なのは、労使双方での十分な意見交換だったのではないのでしょうか。
国の同一労働同一賃金実現に向けた動きは、正直のろのろペースです。
しかし、少しずつ裁判所での判例が積み重なってきております。
昨年の9月には日本郵政の契約社員が訴えた同一労働同一賃金に関する訴訟の判決がありました。
ブログでもご紹介しましたが、「年末年始手当」や「住居手当」等で正社員と一律に差をつけるのは違法だと判断されました。
しかし、その反面「賞与」や「早出勤務手当」、「夜間特別勤務手当」、「祝日給」などについては直ちに違法とは言えないとの見解を示しました。
これからも多くの問題が報道されてくることが予想されます。
その一方で、自社の非正規社員が問題提起してくる可能性も否定できません。
情報を確実に入手し、一方で自社に不合理な差異がないかの確認をする必要があると思います。
まさに同一労働同一賃金に直結してくる裁判例がまた出ました。
今回は卸売市場で働くパート社員が2つの手当格差について訴えを起こしました。
4名で訴え、合計120万円の支払いを求めての裁判です。
さて、詳しい内容を見てみましょう。
1つ目の格差は、「通勤手当」の格差に対するものです。
パート社員が訴えたのは以下の理由です。
〇 通勤手当について、パート社員だからといって正社員の半額の一律月額5千円とするのは労働契約法違反だ。
これに対して裁判所の判決は以下のような見解を述べました。
⇒ パート社員も自家用車を使って25分から40分かけて通勤するのは正社員と変わらず、通勤の実費は月額1万円を超えていた。
「実際の通勤費用を考慮せず、一律に半額を支給する差異は不合理」である。
通勤手当については法律で支給を義務付けているわけではありません。
しかし、通勤手当を支給すると規定しているのであれば当然支給する義務が生じます。
更に従業員によって一律に差異を設定するのは不合理ということですね。
もう一つの格差は「皆勤手当」です。
パート社員が訴えたのは以下の理由です。
〇 就業規則改定によって今まで月額5千円支給されていた皆勤手当をパート社員のみ廃止して不支給としたのは違法だ。
これに対しての裁判所の判決は以下の通りです。
⇒ 「労働契約法10条に定めている不利益変更についての要件を満たさず違法」である。
皆勤手当も支給するもしないも企業の自由です。
しかし、就業規則に皆勤手当の支給を明示しているのであれば当然支給する必要があります。
更に、パート社員についても皆勤手当を支給していたものを廃止してしまった・・・。
一般に不利益変更を行う際には労使での十分な意見交換が必要となります。
パート社員にとっては毎月5千円減額となるわけですから大ごとです。
何より大切なのは、労使双方での十分な意見交換だったのではないのでしょうか。
国の同一労働同一賃金実現に向けた動きは、正直のろのろペースです。
しかし、少しずつ裁判所での判例が積み重なってきております。
昨年の9月には日本郵政の契約社員が訴えた同一労働同一賃金に関する訴訟の判決がありました。
ブログでもご紹介しましたが、「年末年始手当」や「住居手当」等で正社員と一律に差をつけるのは違法だと判断されました。
しかし、その反面「賞与」や「早出勤務手当」、「夜間特別勤務手当」、「祝日給」などについては直ちに違法とは言えないとの見解を示しました。
これからも多くの問題が報道されてくることが予想されます。
その一方で、自社の非正規社員が問題提起してくる可能性も否定できません。
情報を確実に入手し、一方で自社に不合理な差異がないかの確認をする必要があると思います。