
2017年06月09日 [Default]
「司法書士が710万円横領」
同じ士業としてはビックリするとともに注目してしまいます。
どのようなことだったのか?
そもそも司法書士の業務を把握しないと難しいと思います。
司法書士は簡単に何をする方たちなのかというと、
まず最初に思い浮かぶ、そして必ず依頼するのは「登記」業務です。
土地や建物の不動産登記や、会社設立の際の法人登記などがありますね。
また、今もテレビやラジオで宣伝されておりますが、ここ数年で大きな問題となった「過払い金返還請求」。
最近まで多くの司法書士さんがこちらの業務に携わっていたのではと思われます。
そして、高齢化社会が進むにつれて、今も認知症の問題が大きく取り上げられております。
認知症になった方や障害者などの財産管理や生活援助を代理で行う「成年後見人」という業務を行っている方もおります。
この「成年後見人」になるには、家庭裁判所に選任される必要があります。

今回の「横領」は、その「成年後見制度」の中で起きてしまいました。
起訴されたのは30代の司法書士です。
家庭裁判所の選任を受けて80台の女性の成年後見人として業務を行っていた際に、
定期預金を勝手に解約するなどの手口で約710万円を横領したとのことです。
しかも、同時期に成年後見人を務めていた男性2人からも計190万円を横領していたこともわかりました。
本人はおそらく司法書士業務はできないでしょう・・・。
長らく懸念されていた事案なので、正直申し上げて自業自得だと思います。
それよりも、同じ「成年後見人」として真面目に業務に励んでいる司法書士の皆様には大きな衝撃でしょう。
お客様も「うちの司法書士さんは大丈夫かな?」と絶対に思うに違いありません。
業界を挙げて信頼回復に努める必要が出てくるでしょう。
とはいえ、「成年後見人」業務を行っているのは実は司法書士だけではありません。
本人の親族は勿論、弁護士や税理士、社会福祉士などの方たちも行っております。
そして、最近では我々社会保険労務士も一部で行っているのです。
それだけ今現在、そして今後に向けて重要な仕事なのです。
しかし、なぜ司法書士が横領など行ったのでしょう?
司法書士と言えば、試験の難易度が高くそう簡単になることはできません。
実務を覚えるのも大変でしょうし、年収も当然高いのでは?と思うのではないでしょうか?
今回起訴された司法書士は独立開業しております。
我々社会保険労務士業界もそうですが、士業=年収が高い、というのは間違いです。
これは弁護士や税理士なども同じで、一部の事務所は相当年収が高いのは事実ですが、
小規模で業務を行っている事務所は正直申し上げて一般サラリーマンの年収に届くか届かないか、だと思います。
これが更に、開業してすぐの方は当然ほとんど顧客がおりませんので0からの出発もよくある話です。
そうです。
この司法書士も独立して間もなかったのです。
固定客がおらず、将来見通しも立っておらず、開業して事務所を設立したは良いものの、収入より家賃や生活費の方が大幅に大きく大赤字の生活が続いていたようです。
そんな状態の中で得た仕事が「成年後見人」の仕事。
大きなお金(生涯財産)を扱う大変責任のある仕事です。
しかし、目先の欲求に目がくらんでしまったのでしょう・・・。
横領したお金は、全額司法書士の母親が弁償したとのこと・・・。
悲しいですね、同じ士業として・・・。
業界としても、成年後見制度としても今後は十分な対策を取っていくことは間違いありません。
今後はこうした事件は少なくなると思っております。
いや、無くさなければいけません!
我々社会保険労務士も同じです。
目先の欲求にとらわれず、事務所の信頼、社会保険労務士の信頼を考えて業務に励まなければいけません。
改めて私個人的にも胸に刻んでおこうと思う事件でした。
同じ士業としてはビックリするとともに注目してしまいます。
どのようなことだったのか?
そもそも司法書士の業務を把握しないと難しいと思います。
司法書士は簡単に何をする方たちなのかというと、
まず最初に思い浮かぶ、そして必ず依頼するのは「登記」業務です。
土地や建物の不動産登記や、会社設立の際の法人登記などがありますね。
また、今もテレビやラジオで宣伝されておりますが、ここ数年で大きな問題となった「過払い金返還請求」。
最近まで多くの司法書士さんがこちらの業務に携わっていたのではと思われます。
そして、高齢化社会が進むにつれて、今も認知症の問題が大きく取り上げられております。
認知症になった方や障害者などの財産管理や生活援助を代理で行う「成年後見人」という業務を行っている方もおります。
この「成年後見人」になるには、家庭裁判所に選任される必要があります。

今回の「横領」は、その「成年後見制度」の中で起きてしまいました。
起訴されたのは30代の司法書士です。
家庭裁判所の選任を受けて80台の女性の成年後見人として業務を行っていた際に、
定期預金を勝手に解約するなどの手口で約710万円を横領したとのことです。
しかも、同時期に成年後見人を務めていた男性2人からも計190万円を横領していたこともわかりました。
本人はおそらく司法書士業務はできないでしょう・・・。
長らく懸念されていた事案なので、正直申し上げて自業自得だと思います。
それよりも、同じ「成年後見人」として真面目に業務に励んでいる司法書士の皆様には大きな衝撃でしょう。
お客様も「うちの司法書士さんは大丈夫かな?」と絶対に思うに違いありません。
業界を挙げて信頼回復に努める必要が出てくるでしょう。
とはいえ、「成年後見人」業務を行っているのは実は司法書士だけではありません。
本人の親族は勿論、弁護士や税理士、社会福祉士などの方たちも行っております。
そして、最近では我々社会保険労務士も一部で行っているのです。
それだけ今現在、そして今後に向けて重要な仕事なのです。
しかし、なぜ司法書士が横領など行ったのでしょう?
司法書士と言えば、試験の難易度が高くそう簡単になることはできません。
実務を覚えるのも大変でしょうし、年収も当然高いのでは?と思うのではないでしょうか?
今回起訴された司法書士は独立開業しております。
我々社会保険労務士業界もそうですが、士業=年収が高い、というのは間違いです。
これは弁護士や税理士なども同じで、一部の事務所は相当年収が高いのは事実ですが、
小規模で業務を行っている事務所は正直申し上げて一般サラリーマンの年収に届くか届かないか、だと思います。
これが更に、開業してすぐの方は当然ほとんど顧客がおりませんので0からの出発もよくある話です。
そうです。
この司法書士も独立して間もなかったのです。
固定客がおらず、将来見通しも立っておらず、開業して事務所を設立したは良いものの、収入より家賃や生活費の方が大幅に大きく大赤字の生活が続いていたようです。
そんな状態の中で得た仕事が「成年後見人」の仕事。
大きなお金(生涯財産)を扱う大変責任のある仕事です。
しかし、目先の欲求に目がくらんでしまったのでしょう・・・。
横領したお金は、全額司法書士の母親が弁償したとのこと・・・。
悲しいですね、同じ士業として・・・。
業界としても、成年後見制度としても今後は十分な対策を取っていくことは間違いありません。
今後はこうした事件は少なくなると思っております。
いや、無くさなければいけません!
我々社会保険労務士も同じです。
目先の欲求にとらわれず、事務所の信頼、社会保険労務士の信頼を考えて業務に励まなければいけません。
改めて私個人的にも胸に刻んでおこうと思う事件でした。
2017年06月05日 [Default]
昨年、某病院勤務の研修医の女性が自殺しました。
長時間労働が原因のうつ病を発症していたとのことです。
病院の労務管理上は、女性の自己申告に基づいて1ヶ月平均約48時間と把握していました。
これが正当なら労災認定は難しい状況です。
しかし、遺族が労災認定を求め調査したところ、なんと時間外労働は4カ月連続で200時間を超過!
最も多い月では251時間だったとのことです。

尋常な数字ではありませんね。
仮に1ヶ月22日勤務とした場合に251時間というと、1日8時間勤務+残業11時間30分で19時間30分・・・。
寝ている時間もありません!!
200時間だとしても毎日9時間の残業になります。
こんな働き方をしていたら誰でも潰れるでしょう・・・。
なぜ病院側は自己申告を信じただけで、放置していたのでしょうか・・・。
さすがにこの件については、労務管理の疎かさを感じざるを得ません。
遺族は「病院による殺人」とコメントしているようです。
そして、「医師不足は何の理由にもならない」と・・・。
もっともです。
自分の身内がこんな働き方をさせられた挙句の果てに自殺したともなれば黙っていられないでしょう。
それにしても何でこんなに長時間労働になっていたのでしょうか?
当直勤務・・・救急対応・・・医師不足・・・
大変なことは重々わかりますが、通常はここまでの労働時間にはならないと思われます。
早急な現状把握と今後の対策が必要でしょう。
ただ、病院全てがこのような問題を抱えているわけではありません。
私のお客様にも病院経営のお客様が何件かいらっしゃいます。
給与計算もかねて労働時間を把握しておりますが全然問題はございません。
おそらく大病院に限られるのかな?と感じます。
他の病院も是正勧告を受けている状態のようです。
それを受けて病院側も対応しております。
〇 外来診療科の絞り込み
〇 土曜日の一部休診
〇 病院閉院後の早期帰宅促進
〇 人員増加
確かに上記のようなことを実施していけば労働時間は減りそうです。
一方で、病院を頼りにしている、いやいざとういう時に今までと違うと救急患者などは行き場を失ってしまいます。
病院の労務管理は非常に難しいのです。
政府が計画している罰則付きの時間外労働規制方針でも基本的に病院は5年間の猶予期間が与えられています。
正直、病院経営者だけで対策するのには限度があると感じざるを得ません。
病院としても無理して患者さんのために動いている部分もあると思います。
やはり、病院を始め、業界ごとに現状把握の上対策を国単位で練っていく必要があるのではないでしょうか。
単純に残業規制と叫んでいるだけでは何も改善しないでしょう・・・。
長時間労働が原因のうつ病を発症していたとのことです。
病院の労務管理上は、女性の自己申告に基づいて1ヶ月平均約48時間と把握していました。
これが正当なら労災認定は難しい状況です。
しかし、遺族が労災認定を求め調査したところ、なんと時間外労働は4カ月連続で200時間を超過!
最も多い月では251時間だったとのことです。

尋常な数字ではありませんね。
仮に1ヶ月22日勤務とした場合に251時間というと、1日8時間勤務+残業11時間30分で19時間30分・・・。
寝ている時間もありません!!
200時間だとしても毎日9時間の残業になります。
こんな働き方をしていたら誰でも潰れるでしょう・・・。
なぜ病院側は自己申告を信じただけで、放置していたのでしょうか・・・。
さすがにこの件については、労務管理の疎かさを感じざるを得ません。
遺族は「病院による殺人」とコメントしているようです。
そして、「医師不足は何の理由にもならない」と・・・。
もっともです。
自分の身内がこんな働き方をさせられた挙句の果てに自殺したともなれば黙っていられないでしょう。
それにしても何でこんなに長時間労働になっていたのでしょうか?
当直勤務・・・救急対応・・・医師不足・・・
大変なことは重々わかりますが、通常はここまでの労働時間にはならないと思われます。
早急な現状把握と今後の対策が必要でしょう。
ただ、病院全てがこのような問題を抱えているわけではありません。
私のお客様にも病院経営のお客様が何件かいらっしゃいます。
給与計算もかねて労働時間を把握しておりますが全然問題はございません。
おそらく大病院に限られるのかな?と感じます。
他の病院も是正勧告を受けている状態のようです。
それを受けて病院側も対応しております。
〇 外来診療科の絞り込み
〇 土曜日の一部休診
〇 病院閉院後の早期帰宅促進
〇 人員増加
確かに上記のようなことを実施していけば労働時間は減りそうです。
一方で、病院を頼りにしている、いやいざとういう時に今までと違うと救急患者などは行き場を失ってしまいます。
病院の労務管理は非常に難しいのです。
政府が計画している罰則付きの時間外労働規制方針でも基本的に病院は5年間の猶予期間が与えられています。
正直、病院経営者だけで対策するのには限度があると感じざるを得ません。
病院としても無理して患者さんのために動いている部分もあると思います。
やはり、病院を始め、業界ごとに現状把握の上対策を国単位で練っていく必要があるのではないでしょうか。
単純に残業規制と叫んでいるだけでは何も改善しないでしょう・・・。
2017年05月29日 [Default]
ハイヤー・・・聞いたことはあるけどなかなか縁がないです。

タクシーは一般のお客様向け、ハイヤーは金持ち向け??そんなイメージです。
少し調べると、完全予約制で高級感があり、役員の移動手段や海外VIPの送迎など・・・。
乗務員もタクシー運転手の中から更に厳選されたエリートのようです。
そんなハイヤー運転手が、勤務中に心筋梗塞を起こして亡くなったのは労災かどうかが争われていました。
当初管轄労働基準監督署長は労災の認定を認めませんでした。
しかし、この認定を労働者災害補償保険審査官が取り消し労災認定しました。
この違いは何か?
争点は「待機時間」の取り扱いです。
「待機時間」は、その名の通り、運転はしないが、業務運転前の運転待機している時間です。
管轄労働基準監督署は、この「待機時間」を「休憩時間」とみなしました。
そうすると、亡くなる前6ヶ月の平均時間外労働は、月44時間55分となります。
最近多く報道されている通り、この時間を見れば過労死認定基準には届きません・・・。
しかし、審査官は「待機時間」を「労働時間」としたのです。
なぜなのか?
亡くなった男性は、待機時間中も移動先の下調べなどの業務を行っていたことが分かったのです。
これは休憩時間とは言えず、「使用者の指揮命令下に置かれた労働時間である」との判断です。
「待機時間」を「労働時間」とみなしたことにより、亡くなる前6ヶ月の平均時間外労働は月「147時間40分」となりました。
実に100時間の違いが出たのです!
当然「過労死認定基準」を超えております。
この「待機時間」はよく問題になりますね。
仕事はしていないけど、命令やお客様の依頼があればすぐに業務を行わなければならない・・・。
判断基準はずばり、「使用者の指揮命令下に置かれた状況かどうか」です。
労働基準法第41条3号でも「休憩時間と手待時間(待機時間)」について明確にしています。
一般的に、手待時間(待機時間)も拘束されている労働時間とみるべきだと。
だからと言ってすべてが労働時間とは言えないと思います。
経営者としては、「待機時間」と「休憩時間」をしっかりと区分しなければいけません。
勝手な思い込みで「仕事していない=休憩時間」と思い込んでいると今回のようなケースになりかねません。
当然未払い賃金等の問題も合わせて発生してくるでしょう。
経営者もやはり「労務に関する知識」を持たなければこれからはリスクが多すぎます。
今までのようなやり方は通用しないと考えた方がよろしいでしょう。

タクシーは一般のお客様向け、ハイヤーは金持ち向け??そんなイメージです。
少し調べると、完全予約制で高級感があり、役員の移動手段や海外VIPの送迎など・・・。
乗務員もタクシー運転手の中から更に厳選されたエリートのようです。
そんなハイヤー運転手が、勤務中に心筋梗塞を起こして亡くなったのは労災かどうかが争われていました。
当初管轄労働基準監督署長は労災の認定を認めませんでした。
しかし、この認定を労働者災害補償保険審査官が取り消し労災認定しました。
この違いは何か?
争点は「待機時間」の取り扱いです。
「待機時間」は、その名の通り、運転はしないが、業務運転前の運転待機している時間です。
管轄労働基準監督署は、この「待機時間」を「休憩時間」とみなしました。
そうすると、亡くなる前6ヶ月の平均時間外労働は、月44時間55分となります。
最近多く報道されている通り、この時間を見れば過労死認定基準には届きません・・・。
しかし、審査官は「待機時間」を「労働時間」としたのです。
なぜなのか?
亡くなった男性は、待機時間中も移動先の下調べなどの業務を行っていたことが分かったのです。
これは休憩時間とは言えず、「使用者の指揮命令下に置かれた労働時間である」との判断です。
「待機時間」を「労働時間」とみなしたことにより、亡くなる前6ヶ月の平均時間外労働は月「147時間40分」となりました。
実に100時間の違いが出たのです!
当然「過労死認定基準」を超えております。
この「待機時間」はよく問題になりますね。
仕事はしていないけど、命令やお客様の依頼があればすぐに業務を行わなければならない・・・。
判断基準はずばり、「使用者の指揮命令下に置かれた状況かどうか」です。
労働基準法第41条3号でも「休憩時間と手待時間(待機時間)」について明確にしています。
一般的に、手待時間(待機時間)も拘束されている労働時間とみるべきだと。
だからと言ってすべてが労働時間とは言えないと思います。
経営者としては、「待機時間」と「休憩時間」をしっかりと区分しなければいけません。
勝手な思い込みで「仕事していない=休憩時間」と思い込んでいると今回のようなケースになりかねません。
当然未払い賃金等の問題も合わせて発生してくるでしょう。
経営者もやはり「労務に関する知識」を持たなければこれからはリスクが多すぎます。
今までのようなやり方は通用しないと考えた方がよろしいでしょう。