2016年07月11日 - ビジネスブログ

オールウィン社会保険労務士事務所
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2016年07月11日 [Default]
会社の歓送迎会から残業に戻る途中に交通事故で死亡した男性に対して、これが業務中の労災にあたるかどうかの判決がありました。

結論としては「労災にあたる」と最高裁が判断しました。

亡くなった方は、居酒屋での歓送迎会に参加後、「飲酒はせず」に残業に戻る中で、同僚を車で住居に送り届ける途中に事故に遭ったとのことです。

本当に痛ましい事故で本人もご遺族も悔やむに悔やみきれないと思います。
遺族は労災に認定されれば「遺族補償給付」を受け取ることが可能になります。
これまでの裁判では「労災に該当しない」と申請を却下されていたが今回最高裁で覆されました。

この事故が労災にあたるポイントは以下の点だと思われます。
1・亡くなった方は1度は歓送迎会の出席を断ったが上司の命令によって参加した
2・歓送迎会の会費が会社の経費で支払われていた
3・上記のことから亡くなった方は半ば強制的に出席させられ、歓送迎会もその後戻る途中も会社の指揮命令下に置かれていた
4・飲酒もしていないないことから、やむを得ず出席はしたものの業務に戻ることが認識できる

多くの会社で歓送迎会は行われていると思います。
歓送迎会以外でも会社の行事として飲み会が行われることも多いと思います。

一番大事なのは出席が強制なのか任意なのかです。
任意であったとしても、客観的に見て強制と見て取れるようなら強制となるでしょう。

会社としてはせっかく開く会だから従業員全員に喜んでもらいたいという気持ちもあるのでしょう。
しかし、残業があったり、用事があったり、体調が悪かったり・・・従業員にもいろいろな事情があります。
そこを強制してしまってはやはりいけないと思います。

私もサラリーマン時代に、年に何回か飲み会がありました。
任意とは言っているのに、参加しないと誰々は来ていない!とチェックされる始末でした。
そんな陰険なことをするのであれば強制参加にすればいいと思いましたけどね。
飲み会自体は否定はしませんが、経営者の考えと従業員の考えが一致していないと無意味になってしまいます。
いや、むしろ窮屈になってしまいかねません。

経営者も従業員も人それぞれいろいろな考え方をもっています。
ひとくくりにしないで、柔軟に対応することが大切なのではないかと思います。

歓送迎会

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