2017年03月 - ビジネスブログ

オールウィン社会保険労務士事務所
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2017年03月28日 [Default]
今やほとんどの主要駅には売店がありますね。
駅のホームにもあるし、改札口にもあったりします。
大体1人で業務にあたっていることが多いように思われます。

駅売店

そんな駅売店で働く契約社員が同一労働同一賃金を求めた裁判の訴訟がありました。

「契約社員というのは名ばかりで、正社員と同一業務を行っているのに賃金格差があるのは不合理だ」と。

国の方針で「同一労働同一賃金」実現に向けて突き進んでいる感がありますが、まさにこういう内容でしょう。
さて、結果はどうなったのでしょう??

この契約社員は、駅売店での接客や商品発注などの業務を行っていました。
仕事内容はほぼ正社員と同等です。
しかし、基本給や賞与が少なく退職金も出ません。
「同一労働同一賃金」を求めるならば、これは不合理な格差だと言われますね。

しかし、結果は契約社員側が敗訴しました。

「正社員とは業務内容や責任の程度に大きな違いがある」との判断です。
詳しく言えば、「正社員は契約社員とは異なり、各店を統括する立場になったり、配置や職種転換などを命じられたりしている」という理由です。よって、格差があるのは妥当だと。

もっともだと思います。
例えばコンビニエンスストアに置き換えてみればわかりやすいのではないでしょうか。
店長(正社員)は、確かに日頃の業務は接客や商品発注が主な業務でアルバイト(契約社員)とは業務的に変わりません。
しかし、店長(正社員)はいつほかの店舗に異動させられるかわかりません。アルバイト(契約社員)はその店でのみ働きます。
クレーム処理や業者との折衝など重要な業務も店長(正社員)が責任を持ちます。アルバイト(契約社員)は、一時的にはそういったことがあるとしても、最終的な責任は店長(正社員)が負うことになるでしょう。

これまでも何度か「同一労働同一賃金」を問題にした訴訟を目にしてきました。
大方、「同一労働同一賃金」は認められておりません。
やはり、こうした正社員ならではの異動の可能性や、責任の度合いなどが斟酌されております。

今後、国が更に「同一労働同一賃金」を推し進めていくのであれば、やはりそうした事例を明示するべきです。
「同一労働同一賃金」が悪いとは思いません。
ただ、一概にそうなってしまえば経営者にとっては大幅な経費の負担は避けられません。
安易に進めるとすぐに頓挫することになるでしょう。
時間をかけて、国が大好きな「有識者会議」など意味のない人々の話に頼らず、もっと現場を知る方たちの意見を聞いて可能かどうか判断すべきです。

ちなみにこの争いでは「正社員と契約社員で時間外手当の割増率が異なっていた」ということも争われました。
こちらは労働契約法違反ということで差額分の支払いを命じております。

経営者の皆様は、どこまでやって良くて、どこまでやったらダメなのか・・・本当にわからないと思います。
やはり専門家である社会保険労務士に相談することをお勧め致します。

2017年03月27日 [Default]
某大手企業の聴覚障害者への対応が問題になりました。

企業には従業員数に応じて「障害者雇用率」が定められており、一定数の障害者の方を雇用しなければなりません。
大凡50人に一人採用と考えて良いでしょう。

中小企業ですとなかなか50人規模の会社はあまりないかもしれません。
しかし、大手企業は必ず何人かの障害者を雇用しなければならないことになります。

そんな中で「聴覚障害者」も当然障害者に当てはまります。
今回の方は「光」に敏感な方だったとのことです。

聴覚障害者

その方の上司が、光が苦手なのに「窓のブラインドを開けるように指示」したことはパワハラにあたると提訴しました。

提訴した方は出向先の職場で、窓からの光が苦痛だったため、産業医の診断書を提出したうえでブラインドを閉めてもらっていたそうです。
産業医からも診断書が出ているのですから当然企業としては配慮が必要ですね。

しかし、ある日上司がブラインドを開けるように指示し、この方が閉めると「指示に違反している」という業務命令違反のメールが送られてきたとのことです。

産業医の指示>上司の命令

明らかだと思います。
メールで命令するのも陰険ですね。

本当にブラインドを開けたいのであれば、開けても問題ないように席の配置を替える等方法はいくらでもあります。

こんな上司の言動で企業として訴えられたらたまりません。

これからは障害者も気持ちよく働ける職場づくりが求められています。
経営者だけでなく、一緒に働くことになる従業員たちにも考え方を学ばせる必要があります。
障害者を雇用するのなら責任をもって配慮し、社員教育も行うことが必要でしょう。

障害者に関わらず、すべての従業員が気持ちよく働ける会社を目指せば間違いはないと考えます。

2017年03月24日 [Default]
一時期話題になりました保育園と幼稚園を一体化した「こども園」。
当然認定が必要ですし、認定には厳しい要件が課せられると思われます。
保育園でも一部緩和の方向ではあるものの認定は厳しいのが現実。
大切なお子様を預かるのですから当然ですよね。

そんな認定こども園を運営する兵庫県のこども園に労働基準法違反の疑いがかけられています。

勤務する保育士からの通報で発覚したものですが、内容はというと・・・
〇 遅刻をしたら給料から罰金として1万円控除!!
〇 時間外勤務手当は支給しない!!

これが本当なら、よく認定されたものだと思ってしまいます。
まず、遅刻で罰金1万円・・・1分でも遅刻したら1万円・・・恐ろしいですね、それだけで毎朝ストレスです。
せいぜい遅刻控除をする、何回もするようだったら制裁として賃金の1/10の金額を控除ぐらいでしょう。

次に時間外手当の支給無し・・・確実な労働基準法違反です。
今のような未払い残業代が大々的に報じられている中で堂々とよくやるものです。
これについて園長は「時間外に働くことはない」と言っているようです。
怪しい・・・。
実際に市が以前に抜き打ち調査をしたときには時間外手当の支給は確認できなかったそうです。

まだ保育士の訴えの段階で確定はしていないので断言は当然できませんが、
おそらく保育士の訴えが事実なのでしょう。
嘘をついて訴えるなんてことはほぼ考えられません。

雇用契約書には上記の「罰金」のルールの記載はないとのことです。
当然時間外手当の支給ルールは記載されているものと思われます。

直ぐに解明されるとは思いますが、
保育士不足や保育士の待遇問題、待機児童問題等様々ある中でのことで残念です。
お子様を預けている親御さんは尚更のことと思います。

このような状態では保育士はどんなに仕事にやりがいがあるとしても不満を抱きながら仕事をすることになります。
それがストレスになってお子様に被害が及んでしまったら・・・。
取り返しのつかないことになります。
そこまで運営側は考えなければいけません。

今、保育士さんは世の中に求められています。
そんな保育士さんがやりがいを持てる職場を作っていってほしいと切に願います。

認定こども園保育士

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