2017年05月 - ビジネスブログ

オールウィン社会保険労務士事務所
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2017年05月15日 [Default]
厚生労働省が先日、労働関係法令違反で書類送検された企業の社名を厚生労働省ホームページに公表しました。
全国の労働局が公表した内容をまとめて一括しての掲載です。

当然誰でも閲覧可能です。

社名・所在地・公表日・違反法条・事案概要・その他参考事項(送検日)が掲載されています。
大々的に問題になっている大手広告企業を始め、労働基準法違反や最低賃金法違反が多いです。
ただ一番目についたのは労働安全衛生法違反でしょうか。
労働安全衛生法は、作業内容や作業方法、安全対策、危険な薬品への対応などを厳しく定めています。
それこそ、一歩間違えれば死と隣り合わせの作業を行わせる企業にしっかりした対応を求めています。
これは当然法律に則って行わないとリスクが大きすぎます。
過労死も大問題ですが、労災事故死も大問題です。

安全衛生法

経営者の皆様には是非この公表内容を見ていただきたいと思います。
企業名はどうでもいいです。
大切なのは「事案概要」です。
簡略化されていますが、こういうことをしたから違反で送検に至ったという経緯が記載されています。

是非とも自社で同様のリスクはないかを再点検していただきたいのです。
特に「建設業」や「製造業」の経営者の皆様は是非チェックしてほしいと思います。
先ほど述べた労働安全衛生法関連の事案がかなり掲載されております。

他にもどこの企業も気を付けなければいけない事例は未払い賃金等の他に下記のような事例がありました。
・36協定未届出での残業・休日労働の実施
・労災休業4日以上での私傷病報告未提出
・労働基準監督署調査時に虚偽の書類提示
・外国人技能実習生への対応
・解雇予告手当を支払わずに解雇

公表されている事案に違反していれば直ちに書類送検!とはなかなかならないと思います。
大方、違反の内容、是正勧告後の対応が悪く、悪質な場合にこうなった事例が多いのではないでしょうか。
しかし、一発で書類送検にはならない!という保証はありません。

企業名が公表されれば企業にとっては致命的だと思います。
取引先からの不信感・・・
従業員の会社への不信感・・・
従業員の新規採用が困難になる・・・

他にも当然未払い賃金の支払いや、労災事故があればその慰謝料、裁判になれば・・・。
大変です!!

一度この330企業・事業場の事例を参照いただき、自社に当てはめてリスク管理することを強くお勧め致します。

2017年05月12日 [Default]
企業だけではなく官公庁や市区町村役場でも残業問題はあります。
学校の先生なんかも大変ですよね。

今回は、横須賀市の残業削減取り組み事例を紹介致します。

ずばり「帰るまで見守り」方!
そうです、各課の課長が部下が全員帰るまで残り、残業の状況を確認するという方法です。

皆様はどう思いますか?
私個人的には??です。
私の理想は、上司が率先して「効率的に仕事をこなし早く帰社する」、「それを見て部下も同様に効率化を目指し早く帰社する」・・・この流れを作ることです。

この方法では、まず課長が残業することが確定です。課長も職員です・・・。
次に、課長が部下にプレッシャーを与えることにならないかです。
「お前らが終わらないと俺は帰れないんだからさっさと仕事終わらせろ〜!!」なんてことになれば部下の仕事も中途半端に・・・。
職場の風通しも悪くなってしまう可能性もあります・・・。

帰るまで見守り月間

しかし、残業が多いのであれば何かしらの策を講じなければなりません。
その点横須賀市はこの方法を、あくまでもひと月に限って「見守り月間」として実施しました。
お試しとしてはやってみる価値はありますよね。
何もしないのが一番ダメですから。

結果はというと、
前年比で2割弱残業時間トータルが減ったとのことです。
一人当たりで月約2時間減った計算になります。
単純比較は業務の繁忙等もあり難しいですが一応結果は出たのです。

さらに、「見守り月間」が終わった後も5か月間連続で前年比で残業が減ったそうです。
課長さん頑張ってるんですかね(苦笑)。

結果はどうあれ、やはりまず第一歩として策を講じ、実施したことに意義があると思います。
実施したことによって職員たちは自分たちの残業時間を気にしてくれていると感じるのは間違いありません。
そこからコストパフォーマンスを上げる意識づけができれば大きな一歩でしょう。
あとは、課長等上長の残業時間をどうするかです。

今ほど過重労働が問題になっているときはありません。
官民挙げてより良い残業削減方法を提案しあっていくことが必要でしょう。
業種によっても方法は全く変わってきます。
業種単位での意見交換や情報交換も有意義でしょう。

我々社会保険労務士は様々な業種のお客様と接して諸問題に取り組んでおります。
良い取り組み事例があれば、業種問わず他のお客様にも効果があるか情報提供するだけでも大切なことだと思います。
もちろん、積極的に我々が「こうしたらいかがでしょう」という発信もしていかなければいけません。
お客様の労務管理リスク削減の一助となれるようにこれからも邁進しなければと思っております。


2017年05月10日 [Default]
社会保険労務士の皆様は既に耳にしているのではないかと思います。

政府の規制改革推進会議において、労働基準監督官の業務の一部を社会保険労務士に委託するように求める提言が出ております。

なぜこのような動きになっているかと申しますと、
現在労働時間等の問題が多発しておりますが、そうしたことを調査や是正すべく動く労働基準監督官の絶対数が少ないことにあります。
ようは、本当はもっと多くの企業の労働実態を調査しなければいけないのにできていないわけです。
できないうちにいろいろな問題がどんどん浮き彫りになってくる・・・という状況なのです。

では社会保険労務士が何をやるのか?
提言では、「時間外労働・休日労働に関する協定届」(36協定届)を届け出ていない事業所を対象に、社会保険労務士が残業の有無などを調べ、問題がある場合には強制捜査権を持っている監督官に引き継ぐ・・・という内容です。
厚生労働省も受け入れる方針だとか。
嫌われ役ですね・・・(苦笑)

確かに労働基準監督官の業務を補佐できる民間の団体だったら、やはり社会保険労務士が妥当ですね。
36協定を届け出ていない企業や、存在自体知らない経営者も全国には山ほどあります。
手分けして調査すれば少しは監督官の負担も減るし、未然に労働問題を防ぐこともできるかもしれません。
でも嫌われますね・・・(苦笑)

さて、私が気になっているのは、「社会保険労務士に」と言ってもどういう基準でどの社会保険労務士に委託するのでしょうか?ということです。
多くの顧問先を持っている社会保険労務士は実質そのような業務を行う時間は無いと思います。
そうなると比較的時間のある社会保険労務士に・・・。
これは大きなリスクをはらんでいると思います。
社会保険労務士といってもいろいろです。
実務経験が無くても社会保険労務士として仕事ができてしまうのです。
経験の浅い社会保険労務士に委託した結果、逆に間違いがあって企業にも監督官にも迷惑をかけてしまったら社会保険労務士への信頼が失墜してしまいます。
この委託する社会保険労務士の選別基準は厳格に決めた方が良いと個人的に思っております。

例えば、年金相談に従事する社会保険労務士も、定められた講習などを受けて選ばれた方だと思います。
社会保険労務士とは別に、個別労使紛争に携わることができる「特定社会保険労務士」なんていうのもあります。
こちらはものすごい時間の講習を受けたのちに、試験を受けて合格するとなることができます。
ようは、その道(今回でいうと労働実態調査全般かと思いますが)の知識が無いとまずいでしょう。

私はというと、
今は顧問先のお客様の業務を日々行っており余分な時間はありません。
多少余分な時間があったとしても、片手間でできる仕事ではないので難しいでしょう。
年金相談員の社会保険労務士も片手間ではなく、そちらが本業でやっているでしょうし。
「特定社会保険労務士」も少しは考えましたが、何しろ講習を受けている時間が無い・・・。
無理して時間を作って「特定付記」になったとしても、現状ではニーズはあまり無い・・・。
そんなわけで、少しずつ顧問のお客様を増やしながら日々頑張っていく方が性に合っています。

社労士

こんな話をしていながら、国で決定した際にはもしかしたら企業に調査訪問することになるかもしれません・・・。
もしかしたらこのブログを見ていただいている経営者の皆様の会社にも・・・。
その時はお手柔らかにお願い致します(笑)

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