2017年09月15日 - ビジネスブログ

オールウィン社会保険労務士事務所
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2017年09月15日 [Default]
日本年金機構が、またもや多額の年金支給漏れがあったことが発表されました。
その額、なんと約600億円!!
受給漏れが発覚した方々になんとお詫びするのでしょうか?
一般企業だったらどうなっているところでしょうか?
日々、関わりをもっている社会保険労務士としても残念だし、憤りを感じます!

そもそも、こういった事態が頻発していたのは旧社会保険庁時代に遡ります。
旧社会保険庁時代にもコンピューターシステムの不具合ということで約250億円の支給漏れがありました。
2010年にこうした社会保険庁の体質を刷新しようと現在の日本年金機構が発足しました。
それでも2013年に事務処理ミスで最高で3300万円の未払い問題が起きました。
2015年には厚生年金と共済年金が一元化されました。

今回の支給漏れは、この共済年金が絡んでいるものが多くを占めているとのことです。
問題になったのは共済年金加入者に支払われるべき「振替加算」という年金です。
簡単に「振替加算」とはどんなものかと申し上げますと、
「厚生年金に20年以上加入した夫が65歳に達した場合、生計が同一の年下の妻がいると夫に(加給年金)がプラスされます。そして、年下の妻が65歳に達すると(加給年金)は打ち切られ、代わりに妻の基礎年金に年齢に応じて月6,000円〜19,000円程度の振替加算が上乗せされる」というものです。

まあ、こんな制度を普通に知っている人は少ないですよね。
年金記録が確実に日本年金機構で把握されていて、自動的に切り替えてもらえないと分からないでしょう。

しかも、今回の主たる原因は、共済年金を管轄する共済組合が日本年金機構に提供すべき「(加給年金)を打ち切った」等の加入者情報に不備があったとのこと・・・。
要は一元化されたのに組織体制がしっかり機能していないということです。
典型的なお役所的な「ミス」ですね・・・。

未支給の年金は、すぐに振込開始するようです。
それは当たり前として、まずは一人一人謝罪すべきではないでしょうか?
そして、支給を受けずに既に亡くなってしまっている方も数多くいらっしゃるとのことです。
墓前で謝るべきではないでしょうか?

国民の義務で、大切なお金を預けているのです。
そして、将来もらえるべき年金をあてにしている方は多くいらっしゃると思います。

年金支給漏れ

こんなことが何度も続くようだと、更に不信感が募り「年金はあてにならない」という風潮が強まるでしょう。
それに乗じて、支給額をどんどん減らされたのでは現役世代や将来世代としてはたまりません!

大いに反省し、体制をより強固にし、システムや年金の専門家が対応していく必要があるでしょう。

私も悲しいのです。
仕事上年金に関わっていて、お客様に「将来年金貰えるの」とよく聞かれます。
お客様は多額の社会保険料を毎月払っているのですから当然ですよね。
しかし、私は今の現状では、はっきりと「大丈夫!」とは絶対に言えません・・・。
年金が無くなることはないだろうが、どんどん受給額が減ったり、受給開始年齢を先送りしてもらおうという国の姿勢を目の当たりにしていると私でさえ不信感しかありません。

今一度、年金に関する専門家や、各省庁が将来に向けての在り方を考えるべきだと強く思います。

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