2017年09月19日 [Default]
先日の報道で皆様もご覧になったかもしれません。
日本郵政の契約社員の方が、正規社員との諸々の格差を不合理だとして訴えた訴訟の地裁判決がありました。
いわゆる「同一労働同一賃金」に関する指標となる判決です。
結論は、一定の部分は「格差不合理」として契約社員の方の訴えを認めました。
今後は、このような裁判が増えてくると思われます。
同一労働同一賃金と国が声高らかに提唱しているものの、どこまで許容されるのか?となると裁判での判例の積み重ねが重要です。
この手の訴訟内容は今後に向けて十分理解していく必要があります。
さて、今回の判決で、契約社員の訴えが認められたのはどんなことだったのでしょうか?
以下、簡単にお伝えします。
1・年末年始勤務手当
年末年始は郵便局の配達員さんは当然、年賀状の準備から配達まで大忙しです。
今までは、正社員にはこの手当が1日5,000円程度支給されていました。
契約社員は、特に理由もなく「契約」社員であるからということで支給されませんでした。
確かに、手当額まで一緒にというわけではなく、一律支払われないというのは不合理な気がしますね。
2・住居手当
正社員に対して支給されているものですが、裁判所は今回一工夫しております。
正社員全体と比べるのではなく、転居を伴わない正社員と比してどうか?と考慮しています。
こうなると、契約社員との違いは確かになくなってしまうわけです。
ただ、やはり手当額まで一緒に!とまでは求めず、6割から8割程度支給するのが妥当と判断しています。
3・夏季冬季休暇・病気休暇
夏季冬季休暇については、「国民的意識や慣習が背景にある」と、契約社員に設けないのは不合理だと結論。
病気休暇については、「労働者の健康維持のための制度」ということで違法だと結論付けました。
他にも、原告の契約社員は、「賞与」や「早出勤務手当」「夜間特別勤務手当」「祝日給」・・・多くの不合理を指摘しましたが、こちらは格差に合理的な理由があるということで認められませんでした。
「同一労働同一賃金」「非正規社員の待遇改善」に、一歩近づいた判決と言えるでしょう。
しかし、やはり「格差に合理的な理由がある」として認めなかった件が多かったことに私は注目しております。
一つに、契約社員が正社員と同じ地位を確認したことに対しては、
「法律に規定が無く、労使間の交渉を踏まえて決めるべきだ」と棄却しました。
更に、根拠とする労働契約法についても、
「契約社員と正社員の賃金制度に一定の違いがあることまでは否定しない」と指摘しています。
「待遇の格差が不合理かどうかは、仕事内容や責任の程度、転勤の有無などを総合的に考慮すべき」としています。
そういった意味で、今回の判決は実態に沿った、今後の指針になるものだと思います。
そもそも、入社時や契約更新時に、何故正社員なのか?何故契約社員なのかが大前提になると思います。
当然、労使双方で納得して契約書を結んでいるはずです。
契約社員にするには、あるいはなるには、労使双方にそれなりの理由があるはずなのです。
まずは、そこをしっかり考えて、確かめていくことが非正規社員の増加等に歯止めをかけることになるのではと考えます。
正社員、契約社員、パート社員、嘱託社員・・・いろいろ存在します。
それぞれの役割を明確にし、合理的に運用すれば問題は自ずと無くなってくるでしょう。
今後も、「同一労働同一賃金」、「残業時間の罰則付き上限規制」、「高プロ」等、国が推し進める「働き方改革」とその進め方や中身に目が離せません。
労使双方にとって極めて重要な事柄ですから。
日本郵政の契約社員の方が、正規社員との諸々の格差を不合理だとして訴えた訴訟の地裁判決がありました。
いわゆる「同一労働同一賃金」に関する指標となる判決です。
結論は、一定の部分は「格差不合理」として契約社員の方の訴えを認めました。
今後は、このような裁判が増えてくると思われます。
同一労働同一賃金と国が声高らかに提唱しているものの、どこまで許容されるのか?となると裁判での判例の積み重ねが重要です。
この手の訴訟内容は今後に向けて十分理解していく必要があります。
さて、今回の判決で、契約社員の訴えが認められたのはどんなことだったのでしょうか?
以下、簡単にお伝えします。
1・年末年始勤務手当
年末年始は郵便局の配達員さんは当然、年賀状の準備から配達まで大忙しです。
今までは、正社員にはこの手当が1日5,000円程度支給されていました。
契約社員は、特に理由もなく「契約」社員であるからということで支給されませんでした。
確かに、手当額まで一緒にというわけではなく、一律支払われないというのは不合理な気がしますね。
2・住居手当
正社員に対して支給されているものですが、裁判所は今回一工夫しております。
正社員全体と比べるのではなく、転居を伴わない正社員と比してどうか?と考慮しています。
こうなると、契約社員との違いは確かになくなってしまうわけです。
ただ、やはり手当額まで一緒に!とまでは求めず、6割から8割程度支給するのが妥当と判断しています。
3・夏季冬季休暇・病気休暇
夏季冬季休暇については、「国民的意識や慣習が背景にある」と、契約社員に設けないのは不合理だと結論。
病気休暇については、「労働者の健康維持のための制度」ということで違法だと結論付けました。
他にも、原告の契約社員は、「賞与」や「早出勤務手当」「夜間特別勤務手当」「祝日給」・・・多くの不合理を指摘しましたが、こちらは格差に合理的な理由があるということで認められませんでした。
「同一労働同一賃金」「非正規社員の待遇改善」に、一歩近づいた判決と言えるでしょう。
しかし、やはり「格差に合理的な理由がある」として認めなかった件が多かったことに私は注目しております。
一つに、契約社員が正社員と同じ地位を確認したことに対しては、
「法律に規定が無く、労使間の交渉を踏まえて決めるべきだ」と棄却しました。
更に、根拠とする労働契約法についても、
「契約社員と正社員の賃金制度に一定の違いがあることまでは否定しない」と指摘しています。
「待遇の格差が不合理かどうかは、仕事内容や責任の程度、転勤の有無などを総合的に考慮すべき」としています。
そういった意味で、今回の判決は実態に沿った、今後の指針になるものだと思います。
そもそも、入社時や契約更新時に、何故正社員なのか?何故契約社員なのかが大前提になると思います。
当然、労使双方で納得して契約書を結んでいるはずです。
契約社員にするには、あるいはなるには、労使双方にそれなりの理由があるはずなのです。
まずは、そこをしっかり考えて、確かめていくことが非正規社員の増加等に歯止めをかけることになるのではと考えます。
正社員、契約社員、パート社員、嘱託社員・・・いろいろ存在します。
それぞれの役割を明確にし、合理的に運用すれば問題は自ずと無くなってくるでしょう。
今後も、「同一労働同一賃金」、「残業時間の罰則付き上限規制」、「高プロ」等、国が推し進める「働き方改革」とその進め方や中身に目が離せません。
労使双方にとって極めて重要な事柄ですから。