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オールウィン社会保険労務士事務所
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2016年08月01日 [Default]
毎年10月に今までにない上がり幅で最低賃金が上がっております。
今年の10月はどうなるでしょう?

今年度の最低賃金の引き上げの目安額が、過去最大の上げ幅となる全国加重平均24円と発表されました。
時給にすると平均で822円。
そして、初めて全都道府県で時給700円を超える見通しです。

これだけ見ると東京都や神奈川県の経営者はパッとしません。
そうです!あくまで平均ですので高い都県はむちゃくちゃ高いのです!

あくまで目安ですが・・・
東京都・・・・・907円⇒932円(25円UP)
神奈川県・・・905円⇒930円(25円UP)

最低賃金大幅UP

中小企業、特にアルバイトを多く雇用する経営者の皆様は愕然としますよね。
毎年20円ずつぐらい上がっております。
おそらくこの先もこのような調子でしょう。

経営者の皆様が苦しんでいるのはお客様から聞く話以外にも、新聞折り込み求人等でもわかります。
ほとんどの求人が時給は最低賃金で設定してあります。

このような状態なら、定期昇給なんて概念は無くなり、毎年10月に時給UPして最低賃金の繰り返しです。
これでいいんでしょうか・・・。

非正規雇用の人々は、「まだまだ最低賃金が低い。最低でも1,000円。」と叫んでいます。
政府も国を挙げて賃上げを後押ししています。

確かに非正規社員の人々にとっては1円でも多くもらえる方が良いのは分かります。
しかし、今まで最低賃金を引き上げてきたのは、生活保護費をもらっている方が有利という状況を是正するためでした。
昨年、この状況は是正されたようです。

となると今度は単純に引き上げていくのではなく、なぜ引き上げる必要があるのか?という明確な理由が必要だと思います。
上げるのは簡単ですが、それによって人件費が増えて企業収益を圧迫するようでは元も子もありません。
下手をすると、人件費の増加が今度はリストラや採用抑制を生む可能性もあります。

単純にもっと楽な生活がしたいからというのではなく、「こういう理由で、ここまで引き上げれば、こうなる」という明確な指針がないと、労使双方が納得することは難しいと思います。

国には、現場(労使双方)の実情を知ったうえで今後も話し合いを積み重ねていってほしいと思います。

2016年07月29日 [Default]
某物流会社の契約社員の男性が起こした「正社員との不当な格差」の違法性を求める訴訟の判決がありました。

労働契約法では、無期雇用の正社員と有期雇用の契約社員の間での不合理な差別を禁じています。

格差

この会社では、同じ業務を行っているにもかかわらず、正社員のみ「給食手当」「無事故手当」「通勤手当」「作業手当」等の手当を付けていたとのことです。

その上で、判決では、これらの手当は正社員の職務内容などとは無関係で、契約社員に支給しないのは違法だと判断しました。

つい最近ブログに記載した、定年後再雇用で同一労働なのに賃金を下げられたとして訴訟があり、労働者側の訴えが認められたばかりです。

正直申し上げて、このような企業は非常に多くあると思われます。
たまたま従業員が訴えるか訴えないかの差です。

こうした同一労働での正社員と契約社員やアルバイト等の格差問題が今後大きくなってきそうです。

対岸の火事と思わず、是非とも自社の状況を見直すことをお勧め致します。

2016年07月11日 [Default]
会社の歓送迎会から残業に戻る途中に交通事故で死亡した男性に対して、これが業務中の労災にあたるかどうかの判決がありました。

結論としては「労災にあたる」と最高裁が判断しました。

亡くなった方は、居酒屋での歓送迎会に参加後、「飲酒はせず」に残業に戻る中で、同僚を車で住居に送り届ける途中に事故に遭ったとのことです。

本当に痛ましい事故で本人もご遺族も悔やむに悔やみきれないと思います。
遺族は労災に認定されれば「遺族補償給付」を受け取ることが可能になります。
これまでの裁判では「労災に該当しない」と申請を却下されていたが今回最高裁で覆されました。

この事故が労災にあたるポイントは以下の点だと思われます。
1・亡くなった方は1度は歓送迎会の出席を断ったが上司の命令によって参加した
2・歓送迎会の会費が会社の経費で支払われていた
3・上記のことから亡くなった方は半ば強制的に出席させられ、歓送迎会もその後戻る途中も会社の指揮命令下に置かれていた
4・飲酒もしていないないことから、やむを得ず出席はしたものの業務に戻ることが認識できる

多くの会社で歓送迎会は行われていると思います。
歓送迎会以外でも会社の行事として飲み会が行われることも多いと思います。

一番大事なのは出席が強制なのか任意なのかです。
任意であったとしても、客観的に見て強制と見て取れるようなら強制となるでしょう。

会社としてはせっかく開く会だから従業員全員に喜んでもらいたいという気持ちもあるのでしょう。
しかし、残業があったり、用事があったり、体調が悪かったり・・・従業員にもいろいろな事情があります。
そこを強制してしまってはやはりいけないと思います。

私もサラリーマン時代に、年に何回か飲み会がありました。
任意とは言っているのに、参加しないと誰々は来ていない!とチェックされる始末でした。
そんな陰険なことをするのであれば強制参加にすればいいと思いましたけどね。
飲み会自体は否定はしませんが、経営者の考えと従業員の考えが一致していないと無意味になってしまいます。
いや、むしろ窮屈になってしまいかねません。

経営者も従業員も人それぞれいろいろな考え方をもっています。
ひとくくりにしないで、柔軟に対応することが大切なのではないかと思います。

歓送迎会

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