2018年02月19日 [Default]
パートと正社員について手当に格差をつけるのは合理性があるかどうか?
まさに同一労働同一賃金に直結してくる裁判例がまた出ました。
今回は卸売市場で働くパート社員が2つの手当格差について訴えを起こしました。
4名で訴え、合計120万円の支払いを求めての裁判です。
さて、詳しい内容を見てみましょう。
1つ目の格差は、「通勤手当」の格差に対するものです。
パート社員が訴えたのは以下の理由です。
〇 通勤手当について、パート社員だからといって正社員の半額の一律月額5千円とするのは労働契約法違反だ。
これに対して裁判所の判決は以下のような見解を述べました。
⇒ パート社員も自家用車を使って25分から40分かけて通勤するのは正社員と変わらず、通勤の実費は月額1万円を超えていた。
「実際の通勤費用を考慮せず、一律に半額を支給する差異は不合理」である。
通勤手当については法律で支給を義務付けているわけではありません。
しかし、通勤手当を支給すると規定しているのであれば当然支給する義務が生じます。
更に従業員によって一律に差異を設定するのは不合理ということですね。
もう一つの格差は「皆勤手当」です。
パート社員が訴えたのは以下の理由です。
〇 就業規則改定によって今まで月額5千円支給されていた皆勤手当をパート社員のみ廃止して不支給としたのは違法だ。
これに対しての裁判所の判決は以下の通りです。
⇒ 「労働契約法10条に定めている不利益変更についての要件を満たさず違法」である。
皆勤手当も支給するもしないも企業の自由です。
しかし、就業規則に皆勤手当の支給を明示しているのであれば当然支給する必要があります。
更に、パート社員についても皆勤手当を支給していたものを廃止してしまった・・・。
一般に不利益変更を行う際には労使での十分な意見交換が必要となります。
パート社員にとっては毎月5千円減額となるわけですから大ごとです。
何より大切なのは、労使双方での十分な意見交換だったのではないのでしょうか。
国の同一労働同一賃金実現に向けた動きは、正直のろのろペースです。
しかし、少しずつ裁判所での判例が積み重なってきております。
昨年の9月には日本郵政の契約社員が訴えた同一労働同一賃金に関する訴訟の判決がありました。
ブログでもご紹介しましたが、「年末年始手当」や「住居手当」等で正社員と一律に差をつけるのは違法だと判断されました。
しかし、その反面「賞与」や「早出勤務手当」、「夜間特別勤務手当」、「祝日給」などについては直ちに違法とは言えないとの見解を示しました。
これからも多くの問題が報道されてくることが予想されます。
その一方で、自社の非正規社員が問題提起してくる可能性も否定できません。
情報を確実に入手し、一方で自社に不合理な差異がないかの確認をする必要があると思います。
まさに同一労働同一賃金に直結してくる裁判例がまた出ました。
今回は卸売市場で働くパート社員が2つの手当格差について訴えを起こしました。
4名で訴え、合計120万円の支払いを求めての裁判です。
さて、詳しい内容を見てみましょう。
1つ目の格差は、「通勤手当」の格差に対するものです。
パート社員が訴えたのは以下の理由です。
〇 通勤手当について、パート社員だからといって正社員の半額の一律月額5千円とするのは労働契約法違反だ。
これに対して裁判所の判決は以下のような見解を述べました。
⇒ パート社員も自家用車を使って25分から40分かけて通勤するのは正社員と変わらず、通勤の実費は月額1万円を超えていた。
「実際の通勤費用を考慮せず、一律に半額を支給する差異は不合理」である。
通勤手当については法律で支給を義務付けているわけではありません。
しかし、通勤手当を支給すると規定しているのであれば当然支給する義務が生じます。
更に従業員によって一律に差異を設定するのは不合理ということですね。
もう一つの格差は「皆勤手当」です。
パート社員が訴えたのは以下の理由です。
〇 就業規則改定によって今まで月額5千円支給されていた皆勤手当をパート社員のみ廃止して不支給としたのは違法だ。
これに対しての裁判所の判決は以下の通りです。
⇒ 「労働契約法10条に定めている不利益変更についての要件を満たさず違法」である。
皆勤手当も支給するもしないも企業の自由です。
しかし、就業規則に皆勤手当の支給を明示しているのであれば当然支給する必要があります。
更に、パート社員についても皆勤手当を支給していたものを廃止してしまった・・・。
一般に不利益変更を行う際には労使での十分な意見交換が必要となります。
パート社員にとっては毎月5千円減額となるわけですから大ごとです。
何より大切なのは、労使双方での十分な意見交換だったのではないのでしょうか。
国の同一労働同一賃金実現に向けた動きは、正直のろのろペースです。
しかし、少しずつ裁判所での判例が積み重なってきております。
昨年の9月には日本郵政の契約社員が訴えた同一労働同一賃金に関する訴訟の判決がありました。
ブログでもご紹介しましたが、「年末年始手当」や「住居手当」等で正社員と一律に差をつけるのは違法だと判断されました。
しかし、その反面「賞与」や「早出勤務手当」、「夜間特別勤務手当」、「祝日給」などについては直ちに違法とは言えないとの見解を示しました。
これからも多くの問題が報道されてくることが予想されます。
その一方で、自社の非正規社員が問題提起してくる可能性も否定できません。
情報を確実に入手し、一方で自社に不合理な差異がないかの確認をする必要があると思います。