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オールウィン社会保険労務士事務所
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2016年04月15日 [Default]
京都にある世界遺産に指定されているお寺に関する訴訟判決がありました。

原告は、そのお寺のお坊さんではなく、境内で運営する食堂で働いていた元料理長の方です。

訴訟内容は、勤務し始めて数年経過してから、時間外労働が月140時間を超えるのが常態化するようになった。
多い月では240時間に及ぶこともあった。
ある年は365日出勤!!そのうち349日は連続して勤務していた!!
結果、抑うつ神経症を発症し、休業しているということです。
これに対し、お寺に対し慰謝料など4700万円の賠償を求めたものです。

判決では、「業務は著しく過重だった」「過重な業務がなければ抑うつ神経症を発症することはなかった」
「寺が労務管理体制を整え、業務量を調整したり人的体制を充実させたりして、業務が過重にならないようにする義務があった」
と結論づけ、お寺側に約4250万円の支払いを命じました。

世界遺産に指定されているお寺でもそのようなことがあるのか・・・と考えるとともに、
恐ろしいほどの過重労働をさせているとびっくりしました。
お寺側はほとんど労働に関する知識等が無かったとしか思えません。
世界遺産はさて置き、お寺でもなんでも労働者を雇っていれば労働者の労務管理をすることは当然の義務です。
今回の件の1日当たりの労働時間等は不明なため未払い残業等があるのかは分かりませんが、
そもそも3ヶ月平均で80時間の残業、1ヶ月で100時間の残業を行わせると、健康上の問題が生じる恐れが
あると厳しく労働基準監督署は管理しております。
過重労働によっての未払い残業も怖いですが、健康障害が起きてしまう可能性が高まることも十分経営者は認識しなければなりません。

やはり経営者は個々の労働者をしっかりと管理する必要性を痛切に感じます。
しかし経営者だけでは目が行き届かないのも私どもはわかっております。
起きてからでは遅い。
やはり未然に状況管理をしっかりしておくことが最も大事です。
少しでも不安がある経営者の皆様はご相談いただければと存じます。

PS 今回のお寺はおなじみのCMに出たり、私も実際に行ったことがあり非常に良いイメージだったので残念です。
これを機に信頼を取り戻すように労務管理を行っていただければと思います。



2016年04月11日 [Default]
今週の土曜日に娘と一緒に、母の畑に行きました。
母の畑は茅ヶ崎市の私の家の近くにあります。
季節の野菜をいっぱい育てており、いつもおすそ分けをもらって我が家も大変助かっています。
自給自足で野菜はほとんど買わなくて済む・・・最高です!!

娘は虫網をもって大好きな虫取りに励む中、
私は母の手伝いをたまにはしなければ!と思い、インゲン豆を植えるため鍬をもって畑を耕し、豆を植える作業を行いました。
非常に重労働です・・・。ほんの少しの時間なのに息切れです・・・。
母は70歳を超えているのに、いつもこんな重労働を淡々とこなしていることに改めて母の強さを実感しました。
これからも無理をせずにしてほしいと願うとともに、たまには手伝わなければと思いました。

農業は社会保険労務士の範疇とは現在のところ離れた業種だと思います。
しかし、農業でも労働者を雇っていれば労働時間の管理や労働問題などの発生が必然的に必要になります。
そして、今後はTPPもあり農業法人も多くなってくると思われます。
社会保険労務士の活躍の場は、農業分野にも広がっていく可能性は十分にあります。
農業の実務体験を踏まえて、農業分野にも強い社会保険労務士も目指せたら、と感じました。

畑
仕事終わりの母の畑です。(写真が縦にならないんです・・・機械音痴です)
これから、スナップエンドウ、インゲン豆、トウモロコシなどが育ってきます。

2016年04月08日 [Default]
先日、問題になった「労働移動支援助成金」の効果が上がっていないとのことです。
問題となったのは、当ブログでも以前に掲載しましたが、企業が従業員をランク付けし、退職させたい従業員をリストアップし、人材紹介会社のマネジメントを受けたうえで退職させたい従業員を人材紹介会社に登録し、退職後の再就職を支援することで助成金をもらうというものです。不要と認める従業員を退職させる企業と、その企業をサポートする人材紹介会社に大きなメリットがあり、モラルに反する案件が横行していたということで厚生労働省から指導が出ております。

さて、そもそも論でそんな問題のあったこの助成金が一般的にはほとんど活用されていないといいます。
この助成金は「失業なき労働移動」を進めるために安倍政権が力を入れている助成金です。
力を入れている助成金が不正まがいに利用され、本当に必要とする会社や退職者に使われていないとなると大問題です。

調査結果では、2割近い人が約1年経っても再就職せず、再就職した人でも賃金が3割近く下がっているとのことです。
また、再就職できた人の雇用形態は正社員が6割弱、非正社員が2割強、その他不明との状況です。

以上を見ると、通常の会社都合で助成金を使わずに退職して仕事を探している人が、自分自身で再就職先を見つけ、雇用された場合とほとんど同水準ということが言えます。

はっきり言って「意味がない」、「必要がない」助成金となっているのが現状です。
助成金の財源は決まっています。
もう少し、社会情勢を見て、事前検証を入念に行って、何が必要とされているのかを考えていただきたいと強く思います。

今後就職する若い方に将来についてアンケート調査を行った結果、将来に不安を抱えている人が非常に多いこともわかっております。
育児・介護・高齢者問題・待機児童問題等いろいろな問題が山積みになっているのも事実です。

どれか一つと絞るのは現実的ではないので、総合的に検証して、一つ一つ重要な問題を解決できるようにしてもらいたいです。
助成金はそういう大切な事業を行う企業や従業員に対して支給されるべきものです。

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