2016年03月 - ビジネスブログ

オールウィン社会保険労務士事務所
就業規則作成 助成金申請なら
2016年03月16日 [Default]
本日の新聞紙面を見て私は愕然としました。

某社でアルバイトとして働く男子高校生が、ユニオンを通じて「賃金支払いは1分単位」とする労働協約を結んだ。
今までは15分単位で賃金計算されていたが、15分に満たない時間は「ただ働き」だ。
この結果、某社は、その他の従業員の未払い賃金分も合わせ約500万円を支払う。


いかがでしょうか?
当然私ども社会保険労務士は賃金計算は原則1分単位で行わなければいけないことは知っております。
ただ、現状1分単位で管理支給している企業は極めて稀なのではないでしょうか?

しかし、上記に似たケースで、例えば労働基準監督署の調査があり、タイムカードと賃金台帳を提示した結果、税制勧告とともに未払い賃金の支給(過去2年分)を命じられることもあり得ることです。

ここまで身近な事例ですと、何かしらの方法を考えなければならなくなってきます。

方法としては、以下の3つでしょうか。

1・法律通り1分単位で支給する。
2・行政通達に基づいて1ヶ月単位で管理して支給する。
  行政通達では以下のように規定されております。
  「時間外労働及び休日労働、深夜労働の1ヶ月単位の合計について、1時間未満の端数がある場合は、30分未満の端数を切り捨て、30分以上を1時間に切り上げること」
  要は、1分単位ではなくても、1ヶ月単位で管理すれば、「30分未満の切り捨て、30分以上の切り上げ」はしてもよい、ということになります。
3・残業事前申請制
  その名のとおり、残業する場合には何分であっても事前に申請して許可を得なければならないようにするのです。
  本当に残業しなくてはいけない人には1分単位で支給しましょう。
  しかし、雑談をしていたり、今日やる必要のない仕事をしたり、無意味な残業は認めないようにするのです。
  この制度をとっているだけでも、例えば労働基準監督署の調査で、タイムカードと賃金台帳のほかに、残業事前申請書があれば、絶対大丈夫とは言えませんが、すぐに是正勧告や未払い賃金支給命令とはいかないはずです。
  ただし、しっかりと運用することが大前提です。

簡単なところからでも対策を講じておかないと某社と同じ目にあう可能性はどこの企業にもあるでしょう。
日頃のリスク管理がやはり重要になってきます。
問題が起きてからでは遅いのが実情です。

当事務所では、問題が起きてからの相談も当然引き受けて、最善の方向に導くようにアドバイスさせていただきますが、
やはり未然の「リスク管理」コンサルタントが非常に重要です。
お客様の実情を把握したうえで、どのようなリスクがあり、こうしたほうがいいというアドバイスをさせていただきます。


2016年03月14日 [Default]
平成28年10月1日から、常時500人を超える事業所に勤める短時間労働者は、健康保険・厚生年金保険の加入要件が拡大されます。(若干要件はありますが、大企業はおおよそ該当することになるでしょう)

今現在の短時間労働者は、勤務時間・勤務日数が正社員の3/4未満であれば加入する義務はありません。
この要件が以下のように変わるようです。
1・週20時間以上勤務
2・賃金月額が8.8万円(年収106万円)以上
3・1年以上の勤務見込み
4・学生でないこと


だいたい現在の雇用保険の要件に該当する方は健康保険と厚生年金保険に加入してもらうということでしょう。

皆様はいかがお考えでしょうか?
この問題は根深く議論されていた問題ですので、ひとまず大企業でお試しということでしょう。
要は、国民年金第3号被保険者(130万円の壁)問題に直結します。
今まで、短時間労働者は年収130万円未満であれば配偶者の扶養に入れて、健康保険も国民年金も保険料負担はなしでした。
しかし、以前より、この130万円の是非は議論されてきて賛否両論あります。
私も、どちらが正しいとは正直なところ言えませんし、どっちかが正しいということもはっきり申し上げて、ないと思います。
上の要件をみると、今度は「106万円の壁」になるのか・・・。

いずれにしても、夫婦共働きの家庭や、専業主婦家庭もあるわけですから一概にどちらとは言えません。
国が何が目的で行っていくかというところが一番の問題です。
おそらく、保険料を少しでも徴収したい!賛否両論あるから一方的に攻められることはない!などと短絡的な考えでしょう。

国民としては、今まで負担しなくてよかった保険料を負担しなければいけなくなる。
保険料を負担したくなくて、月々の働き方を少なくすれば収入が減る。
当然、事業主としても、短時間労働者を加入させれば保険料の負担は大きくなる。
これが中小企業まで及んだとしたら経営はひっ迫する可能性もある。

多くの問題を残したままですが、今後も議論されていくことは間違いないでしょう。


2016年03月09日 [Default]
厚生労働省が3月7日、都道府県などが介護施設へ定期的に行っている実地指導を抜き打ちでも可能にする方針を示しました。
理由は介護施設での虐待が急増しているためとのことです。

現在の実地指導は、サービス内容や職員配置などの入居者の処遇に問題がないか確認するために定期的に行われています。
この指導は、事前に通告してから行われるものです。

今回の抜き打ち指導は、緊急性はなくても不正の情報が寄せられた施設などを対象として想定しているようです。

介護事業は、低賃金で高負担と言われて久しいです。
今でも介護施設は十分とは言えず、今後ますます介護事業者の必要性は高まってくることは明らかです。
介護事業者の方々は、高齢化社会の日本を支えていく重要な役割を担っています。

私でも、祖母が介護施設にお世話になった経験がございますし、
今後はもしかしたら親、そして自分がお世話になる可能性がございます。
もちろん、これは日本国民全員の認識だと思います。

介護の仕事が、職業として選ばれるには、賃金を始め労働条件の整備が不可欠です。
たまに、国から介護の仕事に携わる方に月額平均10,000円の昇給を目指すと報道で見ます。
しかし、月額10,000円では正直まだまだ足りないでしょう。

国からの援助をもっとできないでしょうか?
先日聞いた話では、保育園には認可保育園と無認可保育園があります。
無認可保育園では、全ての経費は当然保育園が負担します。
しかし、認可を受けられれば、その保育園で働く従業員の賃金を国が負担してくれると聞きました。

これが本当だとしたら、介護事業にも応用できないでしょうか?
少子化に伴う保育園の問題も大変重要ですが、同じくらい高齢化に伴う介護施設の問題は重要だと思います。

介護施設を運営している事業者様や従業員の皆様をもっと援助できれば、こうした事故も防げると思います。

私は、介護事業経営者の皆様を労務面で少しでもサポートができればと考えております。


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