オールウィン社会保険労務士事務所

ブログ

2017年08月17日 [Default]
難しい訴訟が始まります。

電子部品大手会社に勤めていた正社員の方が、「休日に」バイクを運転中、衝突事故に遭い、首の骨を骨折する重傷を負いました。
その後、下半身が完全に麻痺し、上半身も思うように動かなくなり車いすを利用するようになりました。

この方の処遇をめぐる問題です。

会社には、就業規則があり、「任意規定」ではありますが休職制度を設けております。
任意規定というのは、規定してもしなくても会社の自由という意味です。

当然、会社は休職制度を採用し、社員の方に休職を命じました。
休職規定が任意規定であるため、休職期間も任意に定めることができ、会社によってさまざまなのが現実です。
そして、休職期間が終わっても、「業務提供ができない」場合は「休職期間満了」となり自然退職となるという定めが一般的です。

当然事故に遭った方は、車いすを利用するぐらいですから休職期間満了時に「業務提供ができる」とはいきません。
会社は、休職規定に則って、「復職不可」とみなし、休職期間満了とともに退職扱いとしました。

これまでの経緯をご覧になって会社の対応は間違っているのでしょうか?
おそらく、今まででしたら、いや現在も「必ずしも間違ってはいない」と思います。

ところが、事故に遭った方は、「会社が復職を認めず退職させたのは違法だ」と訴えたのです。
求める内容は、「雇用の継続」「障害への配慮」です。

何点かの問題点が考えられると思います。

一つは、休職期間満了時の「業務提供の可否」です。
当然、車いすを利用するので、今までと同じような業務提供はできません。
しかし、この方は「今まで通りの業務提供は無理だが、別の業務ならできるのだから会社は配慮するべきだ」と訴えたのです。
休職期間満了前に、この方から会社に要件を伝えております。
〇 リハビリの結果、今までより時間がかかるがパソコンは使える
〇 週の半分は在宅勤務、無理なら週1日は昼で早退
〇 自宅から会社までの新幹線と介護タクシー代で1日あたり約15,000円の支給
〇 給与は下がることはやむを得ない

これを会社が「業務提供可能」と判断するかどうかでしたが、会社は「復職不可」と判断したのです。

会社としては、今まで通りの業務提供はできなくても、それに代わる業務があるかどうかは検討したのだと思います。
しかし、この方の上記のような要件を吞んで復職させるまでの業務は無いと判断したのでしょう。
復職の基本的な要件は、「従前の職務を通常の程度行える健康状態に回復したとき」と考えられます。
ただ、会社が一方的に復職不可とするのを防ぐため「配置転換等の現実的可能性の有無を検討」が求められております。

要は、この方は「この要件を満たしてくれれば復職可能」といってはいるものの、果たして会社がそこまでの義務を負うのかどうかということです。

その点でもう一つの問題です。
それは、平成28年4月1日施行の「改正障害者雇用促進法」に該当するかどうかです。
文字通り、障害者の雇用促進のために企業に配慮を求める内容となっております。
この中に、障害者に対する「合理的配慮の提供義務」というものがあります。
簡単に申し上げると、「障害者の障害の程度に合わせた配慮を行ってください」というものです。
例えば、今回のように車いすを利用する方がいる場合は、その方に合わせて机や作業台の高さを調整してくださいという感じです。

障害者雇用

また、この法律の中で以下のような文面があります。
「事業主に対して過重な負担を及ぼすときは提供義務を負わない」

要は、合理的配慮をすることがあまりにも会社にとって負担になる場合は、この法律に従わなくてもよい、ということです。

以上のような問題点を踏まえて訴訟で争われることになります。

従業員が、個人的な休日の事故(過失)により障害になり、会社は休職制度を利用し、休職期間満了時に、一般的には復職不可の状態で、今まで通りの業務提供はできず、それ以外に配置転換することも難しく、過大?な要求を呑んでまで復職させる義務があるのか?改正障害者雇用促進法の「過重な負担」とはどの程度か?

今後の障害者雇用の一つの目安になる重要な訴訟になると思います。




2017年08月15日 [Default]
ハローワーク、直轄は労働局になります。
更に大本をたどると厚生労働省。
そう、パワーハラスメント、いわゆるパワハラなどを取り締まらなければいけない立場ですね。

静岡県にあるハローワークの女性職員がパワハラを受けたとして、国と当時の上司に対して慰謝料など計約630万円の損害賠償を求めて提訴しました。
情けない・・・。

どんなパワハラがあったのでしょうか。

訴えたのは女性職員です。
勤務時間中に窓口を統括する50代の課長職の男性と他の職員の勤務態度について話していたそうです。
すると突然課長職の男性が激高して、
「背後から大声で怒鳴りながら女性職員の左腕を拳で3回たたくなどした」
ということ。

ハローワークパワハラ

微妙。
仕事に絡む話し合いをしていて、上司が納得できず部下を怒る・・・まま、あることですね。
「怒鳴る」・・・激高しているのですから相当な大声だったのでしょう。
ここで女性職員が恐怖を感じたら・・・一概には言えませんがパワハラに該当するのでしょうか。
「左腕を拳でたたく」・・・これはいけませんね。手を出しちゃいけません。

ここまででは、本当にこれをもってパワハラといえるのかどうかは微妙だと感じます。

重要なのは、今回が初めてなのかどうか?ということだと思います。
今回初めてこのようなことが起こり、すぐさま訴えるというのは厳しい気がします。
しかし、日常的にこうした行為が行われていて、女性職員が精神的に苦しんでいたらパワハラと認められる可能性が高いと思います。

この課長職の男性、やはり日頃も他の職員に威圧的な態度、いわゆるパワハラ行為を取ることがあったとのことです。
ハローワークの職員内では有名だったわけですね。
そして今回女性職員が意を決して訴えたということでしょうか。
個人的には、日常的に威圧的な態度をとってるのが分かっているのだったら、早めに注意しなきゃダメでしょ!って感じですけど。
部長なり所長なりがしっかりしないといけませんね。
ハローワークの品位が台無しです(あるのかどうか知りませんが)。

ちなみにこの件に関し、労働局の総務課は、こうした行為があったことを認めているそうです。

一般企業は、役所に訴えられたら大変だから気をつけなきゃいけない、と少なからず思っているでしょう。
そんな役所でふたを開けてみれば日常的にこんなことが行われているのです。
一般企業になんて言い訳するんですかね?

また、私も仕事柄役所を訪れる機会が多いですが、パワハラまで行かなくても一部の職員の間で、雰囲気が悪そうな態度を私たちの前でする役所も多く見てきました。

お役所の皆さん!
貴方たちも見られているんですよ!
襟を正してください!


2017年08月14日 [Default]
2ヶ月ほど前に研修医の長時間労働によりうつ病を発症し自殺・・・というブログを書きました。

またもや同じ研修医の方の長時間労働による自殺があったとして労災認定され発表されました。

何で研修医の方ばかりなのでしょう?
当然研修医以外の医師も忙しいのだろうとは思います。
研修医は色々覚えながら、実務の勉強をしなければいけないことや、まだまだ現場に慣れていないことなどがあるのでしょうか。

この度自殺で労災認定された研修医の方は男性で、産婦人科にて分娩や手術などの業務を行っていたそうです。

産婦人科で分娩や手術・・・想像するに休みの日でも人手が足りなければ呼び出されそうですね。
そして、当然長時間対応しなければなりません。

実際にこの研修医の方は精神障害を発症し自殺に至ったわけですが、発症前1か月間の時間外労働は173時間4分だったと認定されております。
通常の土日祝日休みで1日8時間、週40時間働く会社員の1ヶ月の平均勤務時間程度です。
そうです、2倍の時間働いていたわけです。

更に、自殺前6ヶ月間の研修医の方の時間外労働は毎月140時間超え、最も多い月には208時間52分!!
そして・・・その6ヶ月間に休日は5日だったそうです・・・。

誰でもこれだけ働けばおかしくなります・・・。
亡くなった研修医の方は、真面目で仕事熱心な方だったと思われます。
それでも死んでしまっては何にもなりません。

前述しましたが、やはり帰宅後や休日も出産などで呼び出しがが多かったようです。

皆生まれるときには産婦人科の医師や看護師にお世話になります。
とても重要な仕事ですし、なくてはならない仕事です。
自分の子どもが産まれるときにお世話になる際などは特にありがたく思うものです。
そんな大切な仕事をされている方が自殺するような現場を作ってはいけません。

産婦人科研修医

病院も限られた人数、限られた医師、看護師等の皆さんでギリギリのところで動いているところも多いと思います。
病院内で何とかしようと考えるとこのように誰かにしわ寄せが必ず来ます。
医師会などで、病院ごとに適正な医師や看護師の人数を融通できるような制度があれば良いのに・・・などと素人目線で考えてしまいます。

いずれにせよ、何かしらの対応を取っていかなければ、また犠牲になる方が出てしまいます。
国の「働き方改革」で盛り込む予定の「時間外労働の罰則付き上限規制」では医師は5年間猶予措置を設ける予定です。
国としてもこうした医療の現場をより正確に理解する必要があると強く感じます。



2017年08月10日 [Default]
また悲しいニュースが入ってきました。

大手製薬会社に入社した新入社員(当時22歳)が自殺で亡くなり労災認定を受けていたことが分かりました。

新入社員の方は2015年4月1日に同社に入社しました。
その後4月10日から4月12日まで外部研修会社による研修を受けた結果、精神疾患を患い自殺に追いやられました。
このほど亡くなった方の父親が大手製薬会社、外部研修会社及び講師を相手取り、約1億500万円の損害賠償を求める訴訟を起こしました。

4月1日に入社して、4月10日から12日まで3日間の研修を受け、5月18日に自殺・・・。
この短期間で一体何があったのでしょうか?

亡くなった新入社員の職種はMR(医療情報担当者)と呼ばれるものです。
製薬会社では必ずおり、なおかつ非常に重要な職種です。
簡単に仕事内容をご紹介すると、「医療機関を訪問し、自社の医療用医薬品を中心とした医療情報を医師や薬剤師等に提供し、医薬品の適正な使用と普及を図り、使用された自社製医薬品の有効性情報や安全性情報を現場から収集して自社に報告する」という感じでしょうか。
簡単に言えば自社の薬の営業ですね。
仕事内容は厳しく、給料は高めと言われております。
製薬会社の生命線といっても過言ではないですからね。
亡くなった方は、短期間で自殺に追い込まれてしまったので、おそらくこういった本来の業務も経験できなかったのではないでしょうか・・・。

さて、問題はなぜ自殺にまで至ったか?です。
労働基準監督署も労災認定にあたり、先に紹介した「外部研修会社による研修」を原因に挙げております。

大手企業は宿泊での外部研修をすることはいまだに多いようです。
私も新卒で入社した会社では遠方まで行って外部研修を受けた記憶があります。
新入社員向けの研修ですから、大方マナー研修が主たるものとなります。

今回問題となっている外部研修会社について少し調べてみました。
1・ほかの大手企業も外部委託している
2・マナー研修を始め、幹部研修など企業教育コンサルティングを行っている
3・体育会系な研修を行う

どうしても「3」が気になりますよね。
体育会系・・・受ける人にもよると思いますが直感的に私は嫌です・・・。
実際にこの研修を受けたことがある製薬会社の社員たちは今回の件での聞き取りで以下のような発言をしています。
「軍隊みたいな研修」「研修会場は異様な空間だった」
「いつもどこでも大声を出す必要がある」
「機敏な動きを要求される」
「講師は終始大きな声の命令口調できつい口調」「バカヤローといった発言もあった」
「もう受けたくない」
「途中で体調不良者が出ることがあった」

そんな体育会系の外部研修に3日間詰め込まれたらどうでしょう。
もともと体育会系の方はついていけるかもしれませんが、そうでない方はしんどいと思います。
「新入社員にはそのぐらいの気持ちでやらないとダメだ」という方もいるかもしれません。
しかし、いろいろな性格や考え方をもっている人が研修に来るわけですから一律にというのはどうでしょう。

私個人的には、自殺された方は非常に真面目な方で、もちろん体育会系ではない方だったと思います。

当時の研修の中身が少しわかっています。
亡くなった方に対しての研修会社の講師の言動です。
以下、紹介します。
1・同期の前で過去のいじめについて告白するよう強要
2・吃音(どもり)を指摘
3・「何バカなこと考えているの」という言葉
4・「いつまで天狗やっている」という言葉
5・「目を覚ませ」という言葉

アホ講師

今まで述べたことで大体想像がつきますね。
あくまで私見ですが、自殺の原因は「外部研修会社が、新入社員個人個人の性格を理解せず、一律に体育会系を過ぎる行き過ぎた研修を行い、更に個人的な性格を責め、意に沿わない告白を強要し、人格を否定するような言動を講師が行った」結果だと思います。

ちなみに外部研修会社は今回の件について「当社の研修に落ち度はない」と述べているそうです。
この点だけを見ても「ダメ会社」ということが分かります・・・。

こんなダメ会社に永年外部研修を委託した製薬会社にも当然責任があると思われます。
裁判の結果が出てからでないと確かなことは分かりませんが、いずれにしても短期間でこれから世に羽ばたく若い命を奪ったことは疑いようのない事実です。

外部研修を利用している経営者の皆様は多いと思います。
安易に外部に投げる前に、その委託する会社の評判や研修方法等をしっかり把握しておかないといけません。
同時に自社研修を行う場合も研修方法や研修内容について改めて見直ししてみることをお勧め致します。


2017年08月04日 [Default]
みなし残業制をご存知でしょうか?

みなし残業制とは、月の上限の残業時間を設定し、その時間まで実際に残業をしてもしなくても設定された時間分の残業代を固定的に支給する制度です。

この制度は最近定着してきてはいますが、世間的には「ブラック」的な見方をされております。

そもそも設定された時間を超えた場合は、別途超えた分の残業代を支給します。
何がブラックなのでしょうか?
例えば、月によって業務の繁閑がある企業で採用すれば、繁忙期は設定時間を超えた場合もその残業代は支給される。
逆に閑散期で定時で上がることができる月でも設定時間のみなし残業代が補償されるのです。

当事務所でも多くのお客様にこの制度をお勧めしております。
この制度の本当の意義は、従業員の時間に対する意識を考えてもらい、コストパフォーマンスを上げてもらうことです。
ダラダラ残業を無くし、効率的に仕事をする。
仕事にメリハリをつけワークライフバランスも実現できる。
チームで作業する場合は助け合って協調して働いてもらう。

こういったことを徹底できれば、会社としても余分な残業代を支払う必要もなくなります。
従業員にとっても金銭的にも、私生活上でもメリットがあります。
結果、会社の業績アップに寄与するものと考えます。

それなのになぜ批判的な目で見られることが多いのか?
一部の企業で単なる残業代削減のために用いられていることが大きいと思います。
例えば、1ヶ月の残業時間が毎月60時間ぐらいあるのにみなし残業の設定時間は45時間にし、超えた15時間分の残業代は支払わない。
設定時間に終わるはずもないのに無理やり導入し、会社は設定時間に終わらせろと圧力をかける。
あるいは、設定時間まで働かないと評価が下がるので結局は設定時間は確実に残業することになる・・・。

こうした企業が多く存在するためにあまりよく無い目で見られているのが事実です。

前置きが長くなりましたが、今回世界のトヨタがこの制度導入を労働組合に提案したのです。
画期的です!
もし、実現したのならば日本の多くの企業の主流となる可能性があります。
そして、みなし残業制が見直されるかもしれません。
非常に注目しています。

トヨタは、まずは係長級に絞ってこの制度を導入しようとしています。
全員ではなく、本人が希望し、会社が認めた社員が対象です。
上手くいけば、そのほかの社員にも対象を広げていくのではないでしょうか。

トヨタ改革

トヨタも古い企業ですから、少なからず「長時間労働=評価」という組織風土がもしかしたらあったのかもしれません。
それを制度導入によって「コストパフォーマンス=評価」にもっていきたいのではないでしょうか。

いずれにしても労使双方がみなし残業制の意義を理解し、正確に運用できれば間違いなく良い制度だと考えます。
これを機に、一部のみなし残業制を悪用している企業も本来の制度趣旨に戻っていけばよいと考えます。

国が考えている政策の実現より、トヨタをはじめとする企業が取り組む施策の方が確実ですからね(笑)

2017年08月01日 [Default]
名ばかり管理職・・・一時話題になりましたね。
M社が特に。

何故、名ばかりの管理職に会社がしたがるのかはご存知でしょうか。

労働基準法で一定の管理職等には時間外労働や休日労働手当を支払わなくてよいことになっているのです。

「それなら従業員みんな管理職にしてしまえ」なんて社長もいらっしゃいました(笑)
そうです!ここがポイントなのです。

管理職とは、どこまでが管理職と認められるのか?
正直申し上げて、争いになったときに裁判所が決定するので「これだ」というのは言えません。

しかしながら、だいたい以下のような要件を満たしていれば可能性はあります。
@ 勤怠や仕事内容などが自分で自由に決められる
A 経営者と一体の立場である
B 他の従業員と比べて管理職としての手当が「相当分」支払われている

他にも様々なケースを総合的に勘案して決定するのですがいかがでしょう?
こんな従業員いますか??
おそらく一握りの方しか認められないと考えます。
「お前は部長だから」「お前は店長だから」・・・ほぼ無理でしょう。
取締役だから認められるわけでもありません。

ということで、極めて危険なのでこんなことはしないことをお勧め致します。
訴えられたら大変です。
未払い残業代・・・。

前置きが長くなりましたが、このほど、ある警備会社がこの名ばかり管理職制度?を採用した挙句、労働基準監督署から是正勧告を受けました。
警備会社の管理職・・・どのような方だったのでしょう?
休日は月1日程度、10時間以上勤務する日がほとんど・・・。
挙句の果てに月給23万6千円の固定給しか支払っていなかったとのこと。

議論の余地もありません。
管理職以前に、一般職員で更に一歩間違えば過労死認定ラインで働かせていそうです。
給料も管理職とは程遠いですよね。

名ばかり管理職

この「名ばかり管理職」の方が社外の労働組合を頼って労働基準監督署に申し立てて発覚しました。
当然2年分の未払い残業代支払い命令が出るでしょう。

このように、まだまだ制度を悪用したり、無知で行っていたりという会社があるのです。

経営者の皆様、心当たりがあればすぐに改善しないと大変なリスクになりますよ!
今一度自社の労務管理を見直してみることをお勧め致します。



2017年07月24日 [Default]
2020年に東京オリンピック・パラリンピックの開催が決まっています。

東京オリンピック

当然、前回の東京オリンピックの時は生まれていなかったので今回は生で見るチャンスです。
時間や、チケット取得等がうまくできればやっぱり見てみたいですよね。
何でもそうですがテレビで観戦するのとは全く違う迫力や臨場感があります。

そんなオリンピック開催に向けて建設業界はやはり大変です。
急ピッチで進めていかないと、間に合わなかったでは済まされません。
ということは、元請会社から下請け会社への圧力も・・・十分想定されます。

そんな中、今年3月に失踪し、4月に自殺した状態で見つかった作業員が出てしまいました。

この社員は、大手ゼネコン等の共同企業体(JV)の下請会社に勤務していた方です。
昨年の12月から地盤を改良する工事の現場管理を担当していたそうです。

約4ヶ月で自殺・・・。
どのような勤務実態だったのでしょう?

遺族は当然黙っておりません。
なんといっても、亡くなった方は当時まだ23歳!これから羽ばたくというときにこのような形で人生に幕を閉じたのです。
遺族側の調査の結果、失踪前1ヶ月の時間外労働は、なんと「211時間56分」です!!
もはや人間扱いではない状況です。
国が過労死認定ラインとしている1ヶ月の時間外労働「100時間」の倍以上です!

そして驚くことに、亡くなった方の勤務先は、違法な長時間労働だったことを認めているのです!
認めている?
どこまで認めていたのでしょう?
もし、この211時間56分働いているのを分かっていて放置していたら大変なことです!

今更取り返しのつかないことですが、なんとも言えない気持ちになりました。
これからという23歳の若い社員が、夢のオリンピック・パラリンピック会場の建設作業を行った結果亡くなってしまう・・・。

建設会社も大変なのは当然誰しもがわかっています。
しかし、やはり限度があります。
元請から言われたから仕方ない、じゃ済まされません!
元請も下請も協力し合って、競技会場の建設に励んでいただきたいです。

当然、国としても東京都としても、他の開催都市としても、今後このようなことが起きないように十分管理していく必要があると思います。
開催するだけで、その前のことは知らない、なんてことは許されないと思います。

2017年07月16日 [Default]
久しぶりのブログになってしまいました。

今日は3連休の中日です。
子どもたちは夏休みも間近だし、天気も良いし最高の3連休でしょう!

そんな日に出勤せねばならぬとは・・・。

今は、ちょっと落ち着きましたが社会保険労務士にとっては繁忙期です。
6月からはじまる労働保険の集計と申告。
社会保険の算定基礎届。
算定基礎届だけならまだしも最近は調査が多い・・・。
今後もまだ3社分の調査が残っております・・・。

ただ、もう7月半ば。
かなり落ち着いているはずです。

当事務所もそのつもりでおりました。
が、今月より新規顧問先の給与計算を行うことになり、初回なので間違えてはならないし、期限がある!ということで出勤している次第です。
これがサラリーマンだったら「みんな休んでるのに〜」ってなるでしょうね。
しかし私は個人事業主!
休みなんてあって無いようなものです。
嬉しい悲鳴です!

というわけで、大体目途がついたので久しぶりにブログを書いています。

世間的には安部・安部・安部・・・。
どうなってしまうんでしょうかね??
別に安部さんがどうなろうと知ったこっちゃありませんが政策だけ独り歩きするのは困ります。
つい最近も連合が独断的に「残業代0法案」に一部賛成の声明を出しました。
経団連にとってはありがたいことでしょう。
そうかと思えば、あの大手広告会社は、略式起訴で終えるはずが、簡裁が待ったをかけ裁判になることが決まりました。
なんだか激動過ぎて本当に今後の経営者の皆様はどうすればいいのか不安ですよね。

さて、当事務所はというと、お陰様で非常に多くのお客様からご指名され、多くの仕事をいただいております。
本当に、本当にありがたいことです!!
しかし、そろそろキャパが・・・ということを気にしていました。
手続きや相談だけならまだ行けそうですが、給与計算が多くなるにつれ悩みも多くなっておりました。
私が休みなく、夜も働けばどうにかなるのですが、そのようなやり方をいつまでもするのはどうか?
お客様にも迷惑をかけることがあってはならない・・・。
どうしようかと悩んでいた次第です。

そして、今日行った給与計算を委託していただいた新規のお客様とは別に、新たに9月からも給与計算も同時委託の新規のお客様がほぼ決定しております。

ハードワーク

うーん。
決めた!
とうとう重い腰を上げることにしました。

まずは先日、ノートパソコンを購入しました。
これでひとまず、家でも事務所と同じように仕事が可能になります(給与計算も)。
万が一の時は妻にお金を払って手伝わせよう・・・なんて考えもあり(笑)。

そして、8月から新しいパートさんに協力していただけることがほぼ決定しました!
ひとまず給与計算を覚えていただき、一緒にやっていこうと思っています。

なんだか、気持ちが軽くなりました。
やっぱりいつまでも一人でやろうとすると、絶対に行き詰りますよね。
人の手を借りて、人を上手に使って、協力し合ってこそ次のステージに行けると思います。
これは個人事業でも法人の経営者の皆様でも同じでしょう。

長くなりましたが、8月からは2人体制でお客様の満足度を上げるべく頑張っていきます!

とにかく最近の暑さは厳しいので皆様、体調管理にはくれぐれもご注意ください!
仕事に遊びに、楽しい夏に致しましょう!

2017年06月28日 [Default]
今どきの新入社員の残業に対する意識調査がありました。

国による「働き方改革」や「長時間残業による過労死報道」、「未払い残業代の報道」・・・。
残業や休日労働に対する世間の風当たりは強いです・・・。
「残業なんかしない方がいいんだ!」ってなるのか?

Q:質問1
職場の上司、同僚が残業していても、自分の仕事が終わったら帰りますか?

A:答え
帰ります!⇒48・7%(前年比9.9%⇑)

Q:質問2
職場の同僚、上司、部下などとは勤務時間以外は付き合いたくないですか?

A:答え
付き合いたくない!⇒30.8%(前年比10.1%⇑)

Q:質問3
デートの約束があったとき、残業を命じられたらどうしますか?

A:答え
もちろんデートが優先!⇒28.7%(前年比6.1%⇑)
もちろん仕事が優先!⇒71.0%(前年比5.9%⇓)

定時退社

経営者の皆様、いかがですか!?
一概には言えませんが、今の若者は「自分の時間」が第1なのです!
お金より自分の時間なのです!
そこそこのお金をもらえれば満足して、時間があった方がいいと思っているのです!

この傾向は少し前からありましたが顕著になってきております。
この傾向を認識せず、入社早々残業残業!ってなると・・・「辞めます」となってしまいます。
難しいですね・・・。
今どきの・・・とは一概に言ってはいけませんが。

でもこの傾向は、若者が悪いのではなく今の時代の流れなのでしょう。
そして、今までの時代が良かったとも必ずしも言えません。
私が新卒で入社した約20年前も朝から晩まで必死に働いても残業代はありませんでした・・・。
多くの社員が残業代は出たとしても、とにかく毎日残業の日々だったと思います。
それが当たり前でした。

しかし、その考え方や仕事の仕方はもう「古い」のです。
私もそう思います。
私より年配の役職者などは、よく「残業=評価」という考えをいまだに持っている方がいらっしゃいます。
気持ちは分からないでもないですがそれは間違っています。

重要なのは「個々の従業員の仕事の効率化への評価」です。
単に効率化したのでは当然意味はなく、仕事の優先順位やコストパフォーマンスを考えて各自仕事に励み、結果残業なく終わればそれは評価に値すると思います。
単に仕事が遅く、ダラダラ仕事をし残業代をもらう社員は低評価なのは言うまでもありません。

話が逸れてしまいましたが、今の新入社員がこういったことを理解したうえで回答しているのであればいいと思います。
というか、そう願います・・・。

Q1=チームプレーでやっているときは話は違う。あくまで単独で自分の業務のみしている場合に限る。
Q2はいろいろな考えの方がいるでしょう。
Q3=今日やらなければいけない仕事であれば残業を優先し、その後、もしくは別の日にデートの予定を変更。

このぐらいのことは分かっていると信じたいですけどね・・・。
国も若者も「働き方改革」ばかりに目がいってしまうと、肝心の会社の経営もおぼつかなくなってしまいます。
ようは、ワーク・ライフ・バランスを会社も従業員も実践できるようにしていければよいのでは、と考えます。


2017年06月23日 [Default]
6月・・・賞与の時期ですね!!
会社員の皆様にとっては待ちに待った!って感じでしょうね。
もう支給されている方もいらっしゃるでしょうし、これからの方もいらっしゃるでしょう。
もちろん賞与自体無い・・・という方もいらっしゃるでしょう。
私もちょっと前までは微々たる賞与でしたが支給された時はうれしかったものです。

賞与

さて、賞与は払われたけど、今までより大幅に減額された!!
こんな訴えがあり、訴訟の結果減額分の支払いが命じられた訴訟がありました。

そもそも賞与の減額は違法なのでしょうか?

一番重要なのは、就業規則や賃金規程の賞与の支給要件でしょう。
算定基準や支給額計算方法等が記載されていれば基本的にはその方法に沿って支給する義務があります。

逆に賞与の規定が無ければ支給義務は発生しません。
ただし、規定に無いのに毎年支給していると、それが慣行として認められ、いざ賞与無しとしたときに問題になる場合があるので注意が必要です。

今回訴訟を起こした方は、「前年比で賞与額が93%減の2万5千円しか支給されなかった!!」
ということで訴訟に踏み切りました。
逆算すると、35万円ぐらいもらえると思っていたのに・・・ということでしょうか。

確かに従業員からするとこの差額は大きいですよね。
ガックリきてしまいます・・・。
理由は聞かせてもらいたい!と思うのは普通だと思います。

一方の会社はというと、賞与は人事評価制度を採用し、年2回の評価点によって賞与額を決定していました。
ということは、評価が良ければ基準賞与額よりも多くもらえるし、評価が低ければその逆。
これ自体は制度化されていれば何ら問題ありません。
「この女性は本当に本当にダメなんだ!本来なら賞与0円のところ出してあげただけありがたいと思え!!」
なんて社長や上司の声が聞こえてきそうな気がします・・・(苦笑)

今回の大幅減額もこの人事評価が基準になったのは勿論です。
今までのこの女性の評価はというと、18点〜マイナス8点(何点満点かは不明です)。
今回は〜、マイナス175点!!
これで賞与が出るのもすごい・・・。
何をしたらこんなになってしまうんでしょう??

会社側の主張は、「個人情報が記されたアンケートを裁断せずに処理した」ことなど57件の問題行為があったためだと。

結論としては「この年だけ突出して問題行為を挙げ、大幅減点したのは恣意的で不合理だ」と会社の主張を退けました。
減額分の支給と慰謝料の支払いも命じました。

難しいですよね。
本当に経営者にとっては難しい問題だと思います。
賞与なんて出るだけありがたいと思えという経営者の方は多いと思います。
実際、規定している以上はあまり仕事のできない人や評価の低い社員にも支払わなければいけません。

やはり最初が肝心です。
就業規則や賃金規程での賞与の扱い。
雇用契約書での賞与の規定。
今までの慣行。

そのうえで、賞与の性格も理解しておきましょう。
@ 査定期間中の功労報酬
A 生活補填
B 将来のモチベーション向上

いざ例年より減額して賞与を支給しなければならない場合は「合理性」を考えて行いましょう。
しっかりとした理由があれば一定の減額は認められます。
支給してから文句言われるより、文句を言われない支給方法を考えていきましょう!

ブログ記事一覧

[カテゴリーリスト]

ページの先頭へ戻る