オールウィン社会保険労務士事務所

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2018年02月19日 [Default]
パートと正社員について手当に格差をつけるのは合理性があるかどうか?
まさに同一労働同一賃金に直結してくる裁判例がまた出ました。

今回は卸売市場で働くパート社員が2つの手当格差について訴えを起こしました。
4名で訴え、合計120万円の支払いを求めての裁判です。

手当格差

さて、詳しい内容を見てみましょう。
1つ目の格差は、「通勤手当」の格差に対するものです。
パート社員が訴えたのは以下の理由です。
〇 通勤手当について、パート社員だからといって正社員の半額の一律月額5千円とするのは労働契約法違反だ。
これに対して裁判所の判決は以下のような見解を述べました。
⇒ パート社員も自家用車を使って25分から40分かけて通勤するのは正社員と変わらず、通勤の実費は月額1万円を超えていた。
   「実際の通勤費用を考慮せず、一律に半額を支給する差異は不合理」である。

通勤手当については法律で支給を義務付けているわけではありません。
しかし、通勤手当を支給すると規定しているのであれば当然支給する義務が生じます。
更に従業員によって一律に差異を設定するのは不合理ということですね。

もう一つの格差は「皆勤手当」です。
パート社員が訴えたのは以下の理由です。
〇 就業規則改定によって今まで月額5千円支給されていた皆勤手当をパート社員のみ廃止して不支給としたのは違法だ。
これに対しての裁判所の判決は以下の通りです。
⇒ 「労働契約法10条に定めている不利益変更についての要件を満たさず違法」である。

皆勤手当も支給するもしないも企業の自由です。
しかし、就業規則に皆勤手当の支給を明示しているのであれば当然支給する必要があります。
更に、パート社員についても皆勤手当を支給していたものを廃止してしまった・・・。
一般に不利益変更を行う際には労使での十分な意見交換が必要となります。
パート社員にとっては毎月5千円減額となるわけですから大ごとです。
何より大切なのは、労使双方での十分な意見交換だったのではないのでしょうか。

国の同一労働同一賃金実現に向けた動きは、正直のろのろペースです。
しかし、少しずつ裁判所での判例が積み重なってきております。

昨年の9月には日本郵政の契約社員が訴えた同一労働同一賃金に関する訴訟の判決がありました。
ブログでもご紹介しましたが、「年末年始手当」や「住居手当」等で正社員と一律に差をつけるのは違法だと判断されました。
しかし、その反面「賞与」や「早出勤務手当」、「夜間特別勤務手当」、「祝日給」などについては直ちに違法とは言えないとの見解を示しました。

これからも多くの問題が報道されてくることが予想されます。
その一方で、自社の非正規社員が問題提起してくる可能性も否定できません。
情報を確実に入手し、一方で自社に不合理な差異がないかの確認をする必要があると思います。

2018年02月13日 [Default]
車やバイク等で通勤している従業員がいる会社は多いと思います。

公共交通機関の便が良い場所に会社があればあまりいないかもしれません。
しかし、駅やバス停から離れていたり、電車やバスを使うより車やバイクのほうが時間もかからないし通勤の便が良いという場所にある会社も多いと思います。
当事務所のお客様にもマイカー通勤の方を多く抱えている会社様があります。

そういった場合、まず第一に「マイカー通勤管理規程」を作成し、労使双方で車両通勤の際の注意事項を明文化しております。

労災保険では、始業前及び終業後についても通勤災害が認められます(要件はありますが)。
当然労災が認められるということは会社の責任、いわゆる「安全配慮義務」を問われる可能性があるのです。
ですから絶対にマイカー通勤の従業員がいる経営者の皆様は十分に注意しなければいけません。

先日、ある従業員が深夜勤務後にバイクで帰宅中に事故で亡くなった方について、裁判所は会社の安全配慮義務違反を認定し、遺族に対して損害賠償の支払いを命じたという報道がありました。(最終的には和解です)
遺族の訴えは損害賠償約1億円の支払いです。
会社は謝罪するとともに、和解による損害賠償支払いは約7600万円です。

バイク通勤

気を付けなければいけないと思いますよね。

しかし、今回のような帰宅中の事故死で企業に安全配慮義務があると認める事例や、多額の損害賠償支払いとなる事例は異例ではあります。
なぜ、ここまで厳格なものになったのでしょうか?

結論から申し上げますと「長時間労働+深夜労働」が起因しているからです。
事故の原因は居眠りだったそうです。
居眠りするほど過労状態なのに会社はバイクでの帰宅を止めなかったのは安全配慮義務違反だということです。

深夜労働はただでさえ生活リズムを崩しやすいのは周知のとおりです。
その深夜労働に加えて長時間労働が重なれば相当な心身への負担が考えられます。
会社は「お疲れさまでした」では済まされないということです。
公共交通機関の利用やタクシー利用の指示をしなければ安全配慮義務違反となるわけです。

当然深夜勤務をさせてはいけないわけではありません。
コンビニエンスストアの店員だって22時から翌6時ぐらいまで働いていますよね。

注意しなければいけないのは次のようなことではないでしょうか?
@ 深夜労働が長時間に及ばないように注意する
A 終業から始業までの休息時間、いわゆる勤務間インターバルをある程度設ける
B そもそもできるだけ公共交通機関利用を促す
C 労働者の表情等常日頃から異変がないか確認する

一人でもマイカー通勤の従業員がいる経営者様は注意が必要です。
今回のケースは深夜勤務の方でしたが、通常勤務でも過重労働があれば安全配慮義務違反となる可能性が高まります。
今一度自社の従業員の状況を見直してみてください。

2018年02月09日 [Default]
会社、とりわけ大手企業は残業抑制に動いている現状だと思います。
労働基準監督署からの是正勧告や過労死などが自社で起こったらメディアに報道されて大ダメージですからね。

そして、「働き方改革」によって更にこの方向性は強まってくるのは間違いないでしょう。
何せ、「残業時間の罰則付き上限規制」などが法制化する方向性ですから。
多くの企業が慌てて対策を練っていることと思われます。

さて、本当にこの働き方改革に伴い残業時間の抑制が実現できたとすれば、当然従業員に支払う残業代も減ることになります。
会社としては、うまく効率化して残業時間を減らしても売り上げや利益が変わらないような変革を行えば人件費が相当浮くことになるわけです。

この残業代どうなるのでしょうか?
そこまで考えている企業は少ないのではないでしょうか。
とりわけ国は全く考えていないのでは・・・。

基本的には社員に還元する、つまり昇給や賞与、手当等に充当するのが望ましいというのが経団連の方針です。
そうですよね。
従業員としても今まで残業することによって残業代を多くもらっていたとして、それがいきなり少なくなったら生活設計に影響が出ることにもなりかねません。
結構死活問題だと思います。
毎月数時間残業するだけでも給料によりますがそこそこの金額になりますからね。
その減少分を補填するように求めることは正常だと思います。

しかし、単純に残業時間が減ったからその分を昇給させてあげますよ、とは企業としてもなかなか難しいと思います。
残業時間が減っても企業として今まで通り、むしろコストパフォーマンスが上がっていることが条件になるでしょう。

こう考えると一概に残業削減といっても難しいですよね。
労使双方がウィンウィンになる方向性を今から考えていかなければいけません。

前置きが長くなりましたが、大手飲料メーカーの減った残業代の還元方法が報道に出ておりました。

@ 社員のがん治療費の補助に充てる
  ⇒重粒子線治療や陽子線治療といった、健康保険が適用されないがんの先進医療を受ける社員に対し、社内の共済会を通じて500万円を上限に治療費を補助する

A 禁煙治療の支援に充てる
  ⇒喫煙者を対象に、18年度から禁煙外来を受診して禁煙に成功したら1万円を上限に治療費の半額を補助する

B 社内の健康診断や社員の通院記録を分析して健康づくりに役立てる仕組みの強化に充てる
  ⇒生活習慣病のおそれがある社員に保健師が食生活や生活習慣の改善を指導する仕組みを強化する

この方針については賛否両論あるのかと思います。
私としては良い方向性だと感じます。

単純に給与補填と考えるのではなく、長く健康的に会社で勤めてもらうための方針と解釈できます。
がんになって、先進医療を受けなければならなくなったら保険に入っていたとしても本当に大変ですからね。

先進医療

これから大手企業を中心にこういった施策が報道に上がってくると思います。
中小企業はなかなかそういった余裕がなく難しいとは思います。
しかし、参考になる部分は多いでしょうし、自社でできる可能性があるものも出てくるかもしれません。
自社で考えていくのはもちろん、他社のものも参考にしながら魅力のある企業になれるよう目指していく必要があるのではないでしょうか。

2018年02月02日 [Default]
本日2月2日より独立開業してから3年目に突入します!

いや〜、あっという間でした。
独立して以来、暇な時期はほとんど無かったように思います。
これもひとえに当事務所と顧問契約を結んでいただいている大切な大切なお客様のおかげです。
心から感謝申し上げます。
もちろん支えてくれている関係士業の皆様にも心より御礼申し上げます。

さて、社労士に限らず個人事業で開業した事業主はよく「3年までに廃業」が多いと言われております。
新卒の新入社員もそうですよね。
3年の間に退職する人が多い・・・。

正直、開業当時は「食っていけるのか・・・?」、「家族を養っていけるのか・・・?」と不安はありました。
そしてネットで社労士年収などをよく検索したものです(笑)
そこには大体3年ぐらいは微々たる収入しか得られない・・・との記載がほとんどです。
あてもなく独立したらその可能性は高まりますよね。

私もかなり突発的に独立した形ですが、開業に向けて少ない時間でかなり準備はしました。
ポスティングとかはしてません(笑)
友人や税理士さん等あたれるところはすべてあたって少しでも最初から収入が得られるようにと努力したものです。
ある程度お客様を得られると、1件、また1件と顧問先が増えてきました。
そして現在は30件の顧問契約のお客様に恵まれるまでに至りました。

さて、3年目ですが当然まだまだ頑張っていかなければいけません。
まだ3年目です!
これからも少しでも顧問先のお客様に喜ばれる事務所を目指して頑張っていきます!

日々精進!!!

日々精進

今後とも何卒宜しくお願い致します。


2018年01月26日 [Default]
今年に入ってからも大手企業の36協定違反や未払残業代等に対する労働基準監督署の是正勧告の報道を頻繁に目にする毎日です。
報道に出るのは大手企業が多いですが、内部告発や退職者からの情報により中小企業の多くの経営者の皆様も労働基準監督署対応に追われているものと思われます。

当事業所のお客様の中にも是正勧告を受けたり、あるいは退職者から文句をつけられたり、あっせんの申し立てを受けたり・・・と今は当たり前のように労働者の権利をここぞとばかりに振りかざしてきます・・・。
できるだけ何を言われてもいいようにリスク管理はしているつもりですが、経営者の皆様も忙しいので多少管理が及ばないところが出てきます。そこを攻められると厳しいのが現状です。

しかし、これからはもっと世間の会社や経営者に対する目が厳しくなってくるのは間違いありません。
世の中の流れに合わせながら、労務管理を行っていく必要があります。
お客様とともに今の時代、そして今後の流れに合った労務管理を進めていきたいと思います。

さて、世の中の流れは完全に経営者に厳しいものとなってきております。
最初に述べたように労働基準監督署はおそらくフル稼働しているのではないか?と思ってしまいます。
正直一昔前なら考えられなかったような小さな案件でも調査や是正を行ってきます。
これは労働基準監督署の監督官も実際に述べておりました。
時代の流れですね・・・。

その流れに沿って、本年度から全国の労働基準監督署に、違法な長時間労働の監督や労働法制の啓発などを行う「特別チーム」を新設するとのことです。

特別チーム

少し前に厚生労働省は、過重労働が疑われる企業を集中的に調べる特別チームである「過重労働撲滅特別班」、いわゆる「かとく」を東京労働局と大阪労働局に設置しました。
しかし、この「かとく」と今回の特別チームは別物です。

私のような社会保険労務士からすれば、今現在でも労働基準監督署は多くの案件の対応に追われているのではないか?と思いますし、現実となるかは不明ですが社会保険労務士が監督官の業務の一部を行うという話も出ているので、逆に労働基準監督署の監督官や任務にあたる職員は足りるの?と思ってしまいます。

現状では、職員の増員は無し・・・今の人員を再編成してチームを組織するとの方向性のようです・・・。
職員が過重労働にならないか心配です(苦笑)

それはさておき、私個人的に特別チームに期待したいのは「啓発」です。
社会保険労務士と顧問契約している企業ならある程度は法律がわかっていると思われます。
しかし、専門家もいない中、独断で労務管理している中小企業が大多数なのではないでしょうか。
本来なら社会保険労務士が事前に啓発できれば良いとは思うのですが、大多数の中小企業は、「何か起きてから」初めて社会保険労務士を頼る、という流れが多いと思います。

「何か起きる前」に今回の特別チームや社会保険労務士が啓発活動を推進していくことは良いと思います。
「是正」をメインとするのではなく、「啓発」をメインに動いていただければお互いに協業できるのではないでしょうか。


2018年01月19日 [Default]
全国展開する大学病院での医師に対する労務管理が大きく取り上げられました。

労働基準監督署から是正勧告及び是正指導が出たのですが、ずさんな管理が浮き彫りになっています。

この是正ですが、同病院に勤務する「医師」がメインとなっています。
いわゆる「勤務医」の方々です。

どのような内容かというと、
@ 36協定の労働者代表者の選出に問題がある
A 勤務時間管理規定に沿って職員の労働時間管理を行っているが、医師や管理職を適用除外にしている

@については、労働組合がなければ本来は労働者主体となって一人の代表者を選出することになります。
しかし、同病院では、まず労働者の代表者選びに副院長が加わっていたとのこと。
これでは経営側の意見がかなり入り、労働者の主体的な意見が出ることが阻害されることが想定されます。
更に、各部門の代表者が集まる会議で過半数の代表者を選んでいたとのことです。
しかし、各部門の代表者になるには所属長の推薦が必要であり、そこに副院長等の幹部が絡んでいたというのです。

う〜ん・・・完全犯罪ですね。
明らかに、不利にならないように仕組んだ計画的犯行と見受けられます。
これはいけませんね・・・。

この結果どうなるかというと、労働者代表者の選出方法が無効となれば、その期間の36協定自体も無効になる可能性があります。
そうです、医師以外の全職員の残業が違法状態になっていたということになります。

Aについて、一般職員については、所定労働時間を週38時間とし、残業する場合は責任者の承認が必要との内容の規定になっているのに医師や管理職は除外となっているわけですが、管理職はもしかして該当すれば問題ないかもしれません。
問題は医師です。

大学病院の医師。
当然、大学病院に給料をもらって働いている「勤務医」ということで労働者だと思います。
とことが医師については除外・・・何故でしょう?
勤怠管理について、医師だけはタイムカードの打刻は出勤時か退勤時のいずれかのみ打刻するように指導されていたとのこと。
残業時間を把握する術すらないわけで、そもそも「労働者としてみなしていない」との感覚でしょうか。

確かに医師は特殊な勤務形態になると思います。
例えば手術を担当すれば、1回の手術で相当な時間がかかるでしょう。
宿直や当直もあるでしょう。
何より、医師には診療を拒むことができない「応召義務」があることも大きな要因でしょう。
必然的に時間外労働は増える要素が多いのが事実です。
実際に、昨今医師の過重労働が大変問題になっており、厚生労働省も改革の必要性を訴えています。

ところが、それとは正反対の意見を言っているのが医師会他病院経営者です。
医師会会長は、昨年「医師を労働者として扱うのは違和感がある」との趣旨の会見をしています。
この発言は、国が重要課題として取り組む「働き方改革」に医師も含めることに対する発言です。

経営側の医師と勤務医や厚生労働省との間で認識の差があるように思われます。
しかし、最高裁では「医師も労基法で守られる労働者である」ということは確認されています。

医師は労働者

医師も労働者である前に一人の人間です。
他の職種の方と同様に長時間労働をすれば疲れるし、体調も悪くなります。
医師が体調不良のまま現場に立っていたらどうでしょう。
体調不良の医師に自分や家族の手術を担当されたらどうでしょう。
恐ろしいですよね・・・。

すべての医師をいきなり一般労働者として同様に扱うのは難しいと思います。
医師の体調管理と、施術される患者のことを考えて結論を出すべきだと思います。
体調を崩さないようにするには、ある程度の残業時間は認めるものの過重労働はさせない、という方向性になると思います。
医師の人数確保は難しいと思いますし、経営面での負担も当然あるでしょう。
急がず、かと言ってのんびりと構えずに議論を活発化して最良の方向性にもっていく必要性を痛感しています。


2018年01月04日 [Default]
皆様あけましておめでとうございます!
今年も1年宜しくお願い致します。

年末年始休暇も終わり、本日から通常業務を開始しております。
意外と頭がスッキリしていることに私自身ビックリしております(笑)

なぜかというと、年末年始は本当に怠惰極まりない生活をしておりました・・・。
年末の忘年会は明け方まで騒いだおかげで2日間ぐらい棒に振った気がします・・・。
年明けはそれぞれの実家に年始の挨拶で2日間。
これはこれで楽しいのですが、私の実家は茅ヶ崎、妻の実家は平塚・・・帰省とは言えません。
残りの2日間はというと・・・ほとんど食べて寝ての生活でした・・・。

そんなわけで久しぶりに早起きして本日は朝からフル稼働で働いております。
届いている大量の書類の処理、3社の給与計算でほとんど1日終わろうとしております。

今、こうしてブログを更新しているのですが、今年の手始めにホームページの自分の写真を変更しました!
当事務所のホームページをご覧になっていただいたお客様はお気付きだったと思います。
そうです!「写真が悪い!」
いや〜、この写真不評でした・・・。
顧問先のお客様には「写真変えたほうがいいんじゃない」と言われておりました・・・。
新規でホームページを見ていただき、お会いする約束をしていざお会いした時には、
「あれ?ホームページのイメージと違いますね!」と言われることもありました。
そりゃそうですよね・・・
何を隠そう「自撮り」でスマホで一生懸命撮った写真ですから(苦笑)

というわけで気分一新という意味もかねて、
年末にとある士業チームに加えていただき、そのメンバー撮影会でプロのカメラマンに撮っていただいた写真を拝借してアップしました!
でもちょっとにやけてる・・・(涙)

さて、今年の2月で3年目に突入します。
今まで驚くほど順風満帆に来ております。
これもひとえにお客様、関係士業の皆様のおかげです。
しかし、これに甘んじるのではなく、更に成長していくことで皆様にも恩返ししていきたいと思います。

今年も1年、健康第一で日々精進して皆様のお役に立てるよう頑張ってまいります!
今後とも何卒宜しくお願い致します!


写真更新!

2017年12月28日 [Default]
早いもので平成29年も終わろうとしております。
12月は、仕事や忘年会、その間にクリスマスなどがありバタバタと時間が経ってしまいました。
今日で一応事務所としては仕事納めとなります。(携帯電話はいつでもOKです!)

お世話になった経営者の皆様!
今年も1年本当にありがとうございました!

今年もありがとうございました

皆様のおかげで当事務所としても「最高の1年」だったと言えます。
もちろん事務所としては最高でも、お客様にとってはまだまだ、という意見もあると思います。
そこは来年の課題として、更に勉強勉強日々勉強でお客様の最良のパートナー、アドバイザー、コンサルタントを目指していきます!

今年は、日本だけを見ても労務環境が大幅に変わっていく節目の年となったと思います。
「過労死」「未払い残業」「不正」・・・連日報道がありました。
昨日も大手不動産業の不正な「裁量労働」に対する報道が大々的に出ておりました。
それとともに安倍内閣の「働き方改革」の骨組みが少しずつ明示されてきました。
おそらく来年は、働き方改革の概要がさらに明らかになるとともに、企業にとっては非常に厳しい労務管理が求められていく年になるでしょう。
当事務所としては、働き方改革に逆行しないように、なおかつリスクの少ない労務管理を進めていけるように中小企業経営者の皆様を支えていかなければいけないと強く感じております。

最後に、今年1年お世話になりました皆様にこのブログで感謝させていただきます。

SPECIAL THANKS
ひぐち税理士事務所 様

SPECIAL PARTNER
弁護士法人 LM総合法律事務所 様
丈夫会計事務所 様
白又義久税理士事務所 様
宮武社会保険労務士事務所 様
株式会社コンサルグループ 様
株式会社アリス 様

MOST VALUED CLIENT (以下50音順)
アーキット株式会社 様
株式会社アスウェル 様
有限会社アフィット 様
有限会社ウィザード・ティ・エス 様
株式会社ecomo 様
株式会社エフ・アール・シー 様
株式会社F.R.C.International 様
有限会社大湊興業 様
オンタイムデリバリージャパン株式会社 様
株式会社Kaneyo Art Studio 様
株式会社共明製作所 様
K・T・A株式会社 様
株式会社コアファーマシー 様
株式会社河本工業 様
功和創建株式会社 様
ゴーオン株式会社 様
株式会社コンパス 様
株式会社サテライトネット 様
医療法人社団翠瑚会 ワタナベ整形外科 様
医療法人社団萃蓉会 聖心醫院 様
株式会社チェーンサポート 様
株式会社Def eat 様
株式会社トータルトレンド 様
トランテック株式会社 様
パークシティ歯科 様
株式会社バリューマネジメント 様
株式会社平久保電気 様
株式会社プラネットファーム 様
株式会社relme 様

こんなにも多くの大切なお客様とお仕事をさせていただき感謝してもしきれません。
まだまだ未熟ではありますが一生懸命サポートしてまいりますので平成30年も何卒宜しくお願い致します!

また、スポット業務を依頼していただいたお客様も数多くいらっしゃいました。
本当に数ある社会保険労務士事務所より当事務所を選んでいただきありがとうございます!
また機会があればお気軽にお問い合わせください!

当事務所は、平成30年も日々邁進していく所存ですので引き続き宜しくお願い致します!


良いお年を

2017年12月08日 [Default]
最近「官製春闘」が常態化していますね。
「働き方改革」に基づく国の政策も「お上」のほうでどんどん進められております。
経営者の皆様は現状をどうお思いでしょうか?

私個人的には、すべて「国と業界トップたちが現状を把握せず、勝手に打ち出している方策だ」と感じておりました。
誰が得をするのか?
一番得をするのは「安部さん」じゃないか?と・・・。
すべては一部の人たちだけにメリットがあるだけで、それに伴い多くの犠牲を伴う・・・。
「レガシー」づくりに勤しんでいるのではないかと・・・。

というのは私個人的な印象でした。
確かに、「官製春闘」によって年数パーセントのベースアップが実現すれば、サラリーマンの方はありがたいでしょう。
「働き方改革」も、長時間労働等に苦しんでいる方たちは期待を持っているかもしれません。
「企業に待機児童対策3千億円」というのも、子育て世帯には助かるのかもしれません。

正直、いろいろな方、とりわけ中小企業経営者がどう思っているのかが気になっておりました。

そんな中昨日ハッとした報道が2点ありました。

まずは金属労協議長の発言です。
金属労協とは自動車や産業別労働組合が加盟する組織です。
言ってみれば労働者の味方の組織です。
その議長が次のような発言をしました。
「労働条件は労使が主体的に決める。(政府主導の賃上げは)もういい加減にしないといけない」。

国への反論

ごもっとも!!素晴らしい!!と思いました。
労働者の味方の団体議長が、官製春闘で賃上げに直接口出ししてくる安部さんに疑義を呈したのです。
さらに、今後国が検討している「賃上げする企業への減税」などの政策を以下のように一蹴しました。
「アメとムチの短期的な施策」
「賃上げできる中長期的な政策を出すのが政府の役割」

いや〜素晴らしい!
日産労連出身の方らしいですが、人望がうかがえます。
そのうえで、しっかりと「ベア3千円以上」という統一要求は出しております。
なかなか言えないことを言ってくれて、その中で自身の役割もこなす。
組織の長とはこういう姿勢でないといけません。

もう一つの発言は、日本商工会議所会頭です。
国が待機児童対策に充てる3千億円の負担を企業に要請したところ、経団連が了承した中での発言です。

経団連は「経済界として」という了承を進めようとしていました。
その中で日本商工会議所は、「経済界として」という文言を外すよう求めました。
経団連はよく榊原さんの発言が出てきますが、大企業の代表というイメージです。
対して日本商工会議所は、地域に根差した中小企業の代表というイメージです。
ということで、「3千億円の負担の約6割が中小企業の負担になりかねない」ということを危惧しての求めです。

さらに、こう述べています。
「我々はまだ意見を聞かれていない。経団連の意見が経済界のすべてではない」
明らかに経団連に対する異論であり、勝手に代表を気取って決めるな!という意見だと思います。

拍手!!
中小企業の味方をしてくれる団体がこうして自身の意見を発言することを待っていました!
大企業ばかり考えていたら、日本を支えている中小企業がどんどん追い込まれることになります。
もっともっと存在感を示していただき、中小企業の立場を訴えていただきたいです。

また、「官製春闘」についても次のような発言をされました。
経団連の榊原さんの「首相の期待を踏まえ、前向きな対応を企業に求める」との発言に対し、「中小企業には厳しい」として中小企業には官製春闘に対する呼びかけはしないと明言したのです。

当たり前ですよね。
でも、今までこうした「意見」を言う人がいなかったように思われます。
安部さんと榊原さんで決められてしまったら中小企業は置き去りになります。
中小企業の代表者という立場で今後も意見を発信していただければ、より良い政策が実現すると思うのです。

私はサラリーマン時代、転職を何度か経験しておりますが、すべての企業で社長や直属の上司に対して自分の意見を言ってきました。
従業員がみんな「逆らえば干される」と思って発言しなければ、すべて(間違っていても)上の決定に従うことになります。
間違っていることは「間違っている」と言える勇気が必要ですし、さらに「なぜか?」を問われたときに自分の意見を言う必要があります。
なかなか反論することは難しい。
どの世界でも同じだと思います。
でも、組織に属するみんなが意見を言い合える状況になれば理想だと考えます。

意見

とにかく、今回の団体代表2人の方の発言は、今回は難しいとしても今後につながると思います。
国や経団連としても気を使うことになるでしょう(笑)

金属労協、日本商工会議所の皆様!今後も頑張ってください!
そして、今回は発信できなくてもまだまだ多くの団体が存在します。
下からどんどん意見を突き上げて、より良い政策が実現されるように動いていただけるようお願いします!

2017年12月05日 [Default]
働き方改革では罰則付きの残業時間規制を設ける方向で突き進んでいますね。

現状では36協定を締結、届け出していれば協定した時間を上回らなければ違法となりません。
一般的には、月45時間、年間360時間が通常の企業の上限とされております。
当事務所のお客様もできる限りこの中、というか限度時間いっぱいで協定を結んでいるのが実態です。

しかし、飲食業や建設業、繁忙期のある製造業等はどうしてもこれでは対応できません。
何しろ、協定した時間を上回って残業させたら違法となり、下手すると罰則ですからね・・・。
業種ごとに対応は変わってきますが、一般的に知られているのは「特別条項」をつけることです。

この「特別条項」をつけた36協定届を締結し、届け出した場合は、上限を上回る残業時間を設定することが可能になります。
ただし、繁忙期への対応を想定しているため、1年間で6回までと規制されております。
当事務所のお客様も、やむを得ず「特別条項」をつけて、月80時間まで、年間720時間まで、というような協定を締結しています。

「やむを得ず」というのは、仕事が回らなくなってしまうからです。
当事務所のお客様は中小企業です。
当然、大手企業から指示があれば納期に追われ時間どうこう言ってられません。
売り上げにもかかわってきます。
経営にもかかわってきます。
間に合わなければ大手企業との契約が解除になるかもしれません。
そうなれば会社をたたむことさえ考えられます。
それだけ深刻なのです。

大方の中小企業はそのような状況下に置かれながら、何とか時間外労働を抑えようと必死にもがいていると思われます。

繁忙期

それでは大手企業はどうなのか?
私個人的に、下記の報道にはびっくりしました。

@ 調査した1部上場企業225社中、125社が「過労死ライン」とされる月80時間以上の設定をしている
A 上記@のうち、41社は月100時間以上の協定を締結
B 最長の月間の協定時間は2社の200時間、ほかにも165時間、150時間・・・
C 年間720時間の「働き方改革」基準を超える協定締結企業は49社
D 最も長い年間協定時間は1800時間、ほかにも1200時間、1170時間・・・

いかがでしょうか?
大手企業がこのような状況で協定を結んでいるのです。
大手企業がこのような状況だから国は「罰則付き残業規制」なんてことをいっているのでは・・・と思ってしまいます。
本当にこの上限まで働かせている企業はおそらくないとは思います。
しかし、中小企業としては大手(取引先)がこれだけやるのであれば、指示があればやらざるを得ませんよね。

上記の大手企業の残業時間は少しずつ縮小の方向で進められているようです。

2年後をめどに「罰則付き上限規制」が法制化される可能性が高まっています。
1月100時間未満、年間720時間を上限とする方針です。
ひとまず、何とかここまで抑える方向になるのだとは思います。

しかし、懸念は残ります。
残業を抑えることに伴う企業業績や仕事効率の悪化。
残業を隠したり、過少申告したりする危険性。

ほかにも様々な弊害が出てくる可能性があります。
長時間労働が従業員の心身によくないことは間違いありません。
ただ、あまりに拙速に動いてしまった結果、企業経営に影響が出たのでは元も子もありません。

国には、労使双方の意見(中小企業も含め)を十分に聞いたうえで、最終ジャッジをしてほしいと願っています。
経団連や連合、中小企業同友会・・・腹を割って議論を尽くしていただきたいです。

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